くらしをよくする骨コラム

【医師監修】カフェインと骨密度の関係性│骨粗鬆症予防のための正しい知識

朝の一杯のコーヒーで目を覚ます方は多いでしょう。香ばしい香りと苦味は、仕事や家事の合間の癒やしにもなります。
しかし一方で、「カフェインを摂りすぎると骨が弱くなる」と耳にしたことはありませんか。
実際、カフェインは体内のカルシウムの働きに影響を与えるとされ、骨密度(こつみつど:骨に含まれるカルシウムなどのミネラル量の指標)に関わる可能性があります。

この記事では、カフェインと骨の関係を科学的に整理し、骨粗鬆症を防ぐための正しい知識を紹介します。

 

監修者画像

この記事の監修者:長田 夏哉(整形外科・リハビリテーション科・一般内科)

経歴:
日本医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入局し、慶應義塾大学病院や済生会神奈川県病院、川崎市立川崎病院などで経験を積む。平成17年に同病院の医長を務め、同年9月「田園調布 長田整形外科」を開設。現在は整形外科専門医・スポーツドクターとして地域医療とスポーツ分野に幅広く取り組んでいる。

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■所属学会・資格

 日本整形外科学会 専門医

 日本整形外科学会認定 スポーツ医

 日本スポーツ協会公認 スポーツドクター

 日本整形外科学会

 日本整形外科スポーツ学会

 日本臨床スポーツ医学会

 日本手の外科学会

 日本肘関節学会

 日本骨粗鬆症学会

■メディア露出実績

 主治医が見つかる診療所(テレビ東京)

■著書

 中指を回すとすべての痛みが消える

 体の不調は「脳疲労」が原因だった

 体に語りかけると病気は治るなど

 

カフェインが骨密度に影響するメカニズム

 

コーヒーやお茶に含まれるカフェインは、集中力を高めたり眠気を抑えたりする働きを持つ成分です。
しかし体に入ると、腎臓でのカルシウム排出を促進する作用があることが知られています。
つまり、摂りすぎると尿と一緒にカルシウムが体外に排出され、骨に必要なミネラルが不足しやすくなるのです。

 

一方で、最新研究では「適量のカフェイン摂取なら骨密度に大きな悪影響はない」とする報告も増えています。
目安として、健康な成人の場合、1日あたりのカフェイン摂取量は約300mg程度までが安全とされます。これはコーヒーに換算すると2〜3杯分にあたります。大切なのは「量」と「飲み方」を意識することです。
下記のポイントを覚えておきましょう。

 

  • カフェインはカルシウム吸収を一時的に低下させる
  • 摂り過ぎは骨代謝(こつたいしゃ:骨を作る・壊すサイクル)を乱す
  • 一方で適量なら代謝に大きな支障はない

 

コーヒー・紅茶・エナジードリンクの骨密度への違い

 

カフェインは飲み物によって含有量が異なります。
たとえば、コーヒーはやや多めですが、紅茶や緑茶は比較的少なめです。一方、エナジードリンクにはカフェインが高濃度で含まれ、糖分も多いため注意が必要です。

 

飲み物 平均カフェイン量(1000mlあたり) 骨密度の影響傾向 備考
コーヒー 約60mg 適量なら影響少  ミルクを加えると吸収バランス改善
紅茶 約30mg 影響ほぼなし ポリフェノールに抗酸化作用あり
エナジードリンク 約80mg以上 摂りすぎは注意 糖分・添加物が代謝を妨げることも

 

紅茶や緑茶に含まれるポリフェノールは、老化を防ぎ細胞の健康を守る働きがあります。
一方で、エナジードリンクの常飲は、血糖値の乱高下やカルシウム排出の増加を招くおそれがあり、骨密度維持のためには控えめにするのが望ましいといえます。

 

カフェインによるカルシウム排出を防ぐ工夫

 

日々の食事でカルシウムをしっかり摂ることで、カフェインによる微量な排出を補うことができます。カルシウムは骨や歯の主成分であり、不足すると骨密度の低下や骨折のリスクが高まります。
カルシウム摂取を高めるポイントは次のとおりです。

 

  • 牛乳やヨーグルトなど乳製品を1日1〜2回取り入れる
  • しらす、いわし、桜えびなど小魚を食事に加える
  • 小松菜、ブロッコリーなどカルシウム豊富な野菜を活用する

 

さらに、カフェインを摂るタイミングにも工夫が必要です。カルシウムを多く含む食事やサプリメントを摂った直後にコーヒーを飲むと吸収が下がる可能性があります。食後30分〜1時間ほど間隔を空けるとよいでしょう。
また、日光浴でビタミンDを生成することも忘れてはいけません。ビタミンDはカルシウムの吸収を高め、骨の形成を支える大切な栄養素です。

【医師監修】日光浴で簡単ビタミンD補給!効果的な時間帯と注意点まとめ

 

骨粗鬆症予防のための「適度なカフェイン習慣」

 

カフェインを完全にやめる必要はありません。むしろ、上手に付き合うことでリラックス効果や集中力アップなどのメリットを享受できます。
骨粗鬆症予防の観点からは、1日200〜300mgのカフェイン量を上限とし、食事や運動と組み合わせることが鍵です。
注意すべき人の一例として、

 

  • 妊娠中・授乳中の女性(胎児や乳児の発達に影響が出る可能性)
  • 更年期以降の女性(ホルモン変化で骨密度が低下しやすい)
  • 高齢者(代謝が落ち、カルシウム吸収も低下しやすい)

 

といった方々が挙げられます。これらの場合はカフェイン量を控え、カフェインレス飲料を活用するのがおすすめです。

骨密度を維持するためには、

 

  • 適度な負荷のある運動(歩行・スクワットなど)
  • バランスの取れた食事と十分なカルシウム・ビタミンD摂取
  • 睡眠・休養でホルモンリズムを整える

 

といった「生活全体の整え方」も非常に重要です。

 

カフェインフリーの代替ドリンクで骨を守る

 

最近は、カフェインを控えたい人向けに「デカフェ」や「カフェインレスコーヒー」も多く出ています。これらはカフェイン量を90%以上除去しており、香りや風味を楽しみながら骨への負担を軽減できます。

 

  • カフェインレスコーヒー(深煎りの香りそのまま)
  • ハーブティー(カモミール・ルイボスなど抗酸化作用が高い)
  • 豆乳やミルクベースのドリンク(カルシウム補給にも最適)

 

デカフェにミルクを加えれば、カルシウムを補いながら飲みやすさもアップします。
寒い季節にはホットで、胃腸を温めながらリラックスする時間をつくることが骨の健康にも良い影響を与えます。

 

まとめ

カフェインと骨密度の関係は「摂りすぎなければ問題ない」が結論といえます。
1日2〜3杯程度のコーヒーであれば、骨に悪影響を及ぼす可能性は低く、むしろストレス軽減や代謝促進といった良い効果もあります。大切なのは、カルシウムやビタミンDを十分に摂り、カフェインとのバランスを取ることです。

日々の飲み物を少し意識するだけで、骨の健康は大きく変わります。無理なく続けられる「適度なカフェイン習慣」を、今日から取り入れてみてはいかがでしょうか。

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