「あれ?昔より背が縮んだかも…?」30歳を過ぎた頃から、そんな風に感じることはありませんか?
実は、身長は成長期が終わると徐々に縮み始め、個人差はありますが、30歳を過ぎたあたりから顕著になると言われています。加齢に伴う身長低下を予防するためには、カルシウムをはじめとする栄養素が重要です。
特に骨密度や筋肉量の維持に寄与する栄養素を適切に摂取することが、長期的な健康を保つために欠かせません。この記事では、身長低下の原因とその予防策について、具体的に解説します。

この記事の監修者:長田 夏哉(整形外科・リハビリテーション科・一般内科)
経歴:
日本医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入局し、慶應義塾大学病院や済生会神奈川県病院、川崎市立川崎病院などで経験を積む。平成17年に同病院の医長を務め、同年9月「田園調布 長田整形外科」を開設。現在は整形外科専門医・スポーツドクターとして地域医療とスポーツ分野に幅広く取り組んでいる。
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■所属学会・資格
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会認定 スポーツ医
日本スポーツ協会公認 スポーツドクター
日本整形外科学会
日本整形外科スポーツ学会
日本臨床スポーツ医学会
日本手の外科学会
日本肘関節学会
日本骨粗鬆症学会
■メディア露出実績
主治医が見つかる診療所(テレビ東京)
■著書
中指を回すとすべての痛みが消える
体の不調は「脳疲労」が原因だった
体に語りかけると病気は治るなど
加齢による身長低下の原因

加齢による身長低下は、骨密度や筋肉量の減少、背骨の変形が主な要因となります。適切な対策を講じることで、これらの変化を最小限に抑えることが可能です。
骨密度の低下と骨量の減少
骨密度が大幅に低下すると、骨が脆くなる「骨粗鬆症」が発症しやすくなります。
骨粗鬆症は、高齢者が転倒した際に骨折を引き起こす主な要因の一つです。
特に女性は閉経後に急速に骨密度が低下するため、骨粗鬆症になるリスクが高くなります。
| 骨粗鬆症のリスク原因 | 説明 |
|---|---|
| 加齢 | 骨密度の自然な低下 |
| 閉経 | エストロゲンの減少による骨密度低下 |
| 栄養不足 | カルシウムやビタミンDの不足 |
| 遺伝 | 骨粗鬆症の家族歴 |
骨密度が低下すると、背骨の一部である椎骨が圧縮され、圧迫骨折が起こりやすくなります。これにより背骨の高さが減少し、全体的な身長が短くなります。椎体骨折は特に背中や腰の痛みを引き起こします。
また、骨粗鬆症が進行することでも、わずかな衝撃でも骨折しやすくなります。
くしゃみや転倒など、日常生活の些細な動作がきっかけで、背骨を構成する椎骨が圧迫骨折を起こすことがあります。
椎体骨折が複数個所にわたって発生すると、背骨が曲がり身長が縮んでしまうのです。
筋肉量の減少と背骨の変形
加齢とともに筋肉量は徐々に減少していきます。
特に、体幹を支える筋肉が衰えると、姿勢が悪くなりやすく、猫背気味になってしまうことも。猫背になると、本来まっすぐであるべき背骨が湾曲し、その結果として身長が低く見えてしまうのです。
長年の姿勢の悪さや、骨粗鬆症による椎体骨折などが重なると、背骨自体が変形してしまうことがあります。
加齢による椎間板の弾力性の低下も、背骨の変形を加速させる要因の一つです。
身長低下を防ぐための生活習慣

身長の縮みを完全に止めることは難しいですが、そのスピードを緩やかにし、健康な状態を長く保つことは可能です。
毎日の生活習慣を見直すことが重要です。
健康的な食生活と栄養摂取
食事の質は、加齢による身長低下を防ぐために重要な要素です。特に、骨や筋肉を強化するための栄養素をバランスよく摂取することが大切です。
骨の健康を維持するためには、カルシウムとビタミンDを積極的に摂取することが大切です。
カルシウムは牛乳や乳製品や大豆製品、緑黄色野菜などに多く含まれています。
ビタミンDは、鮭やさんまなどの魚類、きのこ類、卵などに多く含まれており、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。
また、日光浴をすることでビタミンDが生成されるので、1日に15分~30分を目安に日光浴をするようにしましょう。
| 栄養素 | 役割 | 主な食品 |
|---|---|---|
| カルシウム | 骨と歯を強化 | 牛乳、豆腐、小松菜 |
| ビタミンD | カルシウムの吸収を促進 | 干しエビ、卵、しいたけ |
定期的な健康診断を受けることも、栄養状態をチェックするうえで重要です。
特にカルシウムやビタミンDの不足がある場合、早期に対策を講じることで骨や筋肉の健康を維持することができます。
血液検査でこれらの栄養素のレベルを確認し、必要に応じてサプリメントの摂取や食生活の見直しを行いましょう。
適切な運動と筋力トレーニング
運動は、筋肉量を維持し、骨密度を向上させるために非常に効果的です。特に高齢者にとっては、無理なく行える運動を継続することが重要です。
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、筋肉量を維持し、体の柔軟性を高める効果があります。特に背筋や腹筋を強化するエクササイズを取り入れることで、姿勢が改善し、背中が曲がるのを防ぐことができます。
筋力トレーニングは、骨密度を高め、骨の強度を維持するために効果的です。例えば、スクワットや軽いウェイトを使ったトレーニングは、骨に負荷をかけ、骨を強化する働きがあります。無理のない範囲で定期的に行うことで、骨折のリスクを低減し、身長低下を予防できます。
まとめ
加齢に伴う身長低下は、避けられない現象ではありますが、適切な運動と筋力トレーニングを行うことでその進行を遅らせることが可能です。
筋肉量を維持するための運動や骨密度を高めるための筋力トレーニングを定期的に行い、健康的な生活習慣を維持して、加齢による身長低下を対策していきましょう。

