俳優として長年第一線で活躍しながら、年齢を重ねることや体の変化とも丁寧に向き合ってきた羽田美智子さん。
近年はYouTubeチャンネル「羽田美智子のChange of Life」を通して、更年期や健康、日々の暮らしについての気づきや体験を発信しています。
年齢を重ねるなかで起こる心身の変化にどう向き合い、どのように日々を前向きに過ごしていくのか。羽田さんが大切にしている考え方や健康習慣についてお話を伺いました。
インタビューでは、家族や自身が経験した骨折を通して改めて感じた”健康の大切さ”や、忙しい日常の中でも続けている“隙間運動”、そして年齢を前向きにとらえる心の持ち方についても語ってくださいました。

俳優 羽田美智子
1968年茨城県生まれの俳優。
1994年公開の映画『RAMPO』で注目を集め、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
以降、映画・ドラマ・舞台など幅広い分野で活躍し、温かみのある人柄と確かな演技力で多くの作品に出演しています。テレビドラマ『警視庁捜査一課9係』シリーズやその続編『特捜9』などの人気作でも知られ、長年にわたり多くの視聴者に親しまれています。
続きを読む
現在は俳優業と並行して、YouTubeチャンネル「羽田美智子のChange of Life」を配信中。自身の人生経験をもとに、心と体を整える暮らし方、年齢を重ねる中での美容や健康、食生活、日々の気づきなどを自然体の言葉で発信しています。
飾らない人柄と実体験に基づくリアルな語りが共感を集め、多くの視聴者に支持されています。さらにライフスタイルブランド「羽田甚商店」も主宰し、暮らしを大切にする価値観を幅広く届けています。
” 健康は人生の土台 ” 家族で経験した骨折から気づいたこと

── 某番組を拝見し、ご自身やご家族が骨折を経験されたと知りました。そのような経験を経て、価値観に変化はありましたか?
やっぱり、健康があってこその人生だと思うようになりました。どこかに病があると、生きる目的や目標が「その病に打ち勝つこと」になってしまうんですね。
でも土台が健康だったら、自分の生きがいだったり、やりがいだったり、社会のため、誰かのためというふうに動ける。
ところが骨折のように健康を失うと、生きる目的が「健康を取り戻すこと」になってしまう。
そう考えると、人生の土台はやっぱり健康なんだなと、年々感じるようになりました。
── 実際にご家族も含めて骨折を経験されたことで、どんなことを感じましたか?
母も骨折し、兄も骨折し、私も骨折してしまって、「こんなはずじゃなかった」というような、3か月くらいの忍耐の期間をそれぞれ経験しました。
そういう時間を経て、健康でいられることのありがたみをすごく感じましたね。
それと同時に、骨って本当にちょっとしたことで折れるものなんだなと驚きました。母も兄も「こんなことで?」とびっくりしていましたし、年齢的なこともあると思います。
私自身は、父が亡くなったことや仕事の忙しさ、肉体的な疲労、インフルエンザの後遺症など、いろいろ重なって、くしゃみや咳をしたときに肋骨にひびが入ってしまいました。まさか自分がそんなことになるとは思いませんでした。
ちょうど私は更年期の世代、兄は老年期、母は高齢期での骨折だったので、骨って本当に大事なんだなと実感する経験になりましたね。
── 年齢を重ねると、骨折や体の不調を経験する人も増えてきますが、そのことについて感じていることはありますか?
若いときは、自分がそんな目にあうなんて思わないんですよね。
どこかで「自分だけは大丈夫なんじゃないか」というバイアスがかかってしまうとは思いますけど、
実際には自分も例外じゃないんだぞ、ということは、皆さんにもぜひ知っておいてほしいです。
ある年齢になると、圧迫骨折を経験する人って本当に多いんですよね。
高齢者が多い地域や田舎の方だと、整形外科は本当に混雑しているんですよ。
やっぱり皆さん、骨折だったり、体のあちこちの痛みを抱えていて、年を取ったら必ずお世話になるのが整形外科なんだなと思います。
だからこそ、元気に動ける今のうちから、骨や体を大切にする意識を持つことが大事なのかもしれませんね。
忙しくても続けられる“ 隙間運動 ”と骨を守る生活習慣

── 予防のために、最近取り入れている運動習慣やトレーニングはありますか?
何かタスクがあって忙しいと、ジムに行くってなかなかできないし、続かないんですよね。
なので、家でできる運動を取り入れるようにしています。
昔からあまり変わらないんですけど、朝ごはんの前にラジオ体操第1と第2をやるようにしています。
それから、朝のメイクの時間とか歯磨きの時間に、片足立ちを左右5分ずつやったり、車を使わないで電車に乗るようにしています。
車を使わないことで自然と階段を歩く習慣ができるので、ホームで電車を待っている間にかかと落としの運動をしたり、本当に“隙間運動”を大事にしています。
── 隙間時間を活用することを意識されているんですね。
そうですね。ジムやピラティスに行けば40分くらいしっかり運動できるので理想ではあるんですけど、行けない日があると「行けなかった…」という気持ちのほうが強くなってしまうんですよね。
なので、「今日は隙間体操だけでもやった!」という感覚を大事にして、隙間運動を積み重ねています。
実は骨量を調べたときに、同年代の中では少し低かったんです。
それで「これは本当に早くやらなきゃだめだな」と思って、こういうことを意識して続けるようにしています。
コツコツ運動と呼吸・姿勢がつくる前向きな心と体

── 隙間運動を取り入れるようになって、精神面で何か変化はありましたか?
私の場合は、続けていくうちに、だんだん体幹ができてきたりとか
撮影の時とかに 割と無理なポーズとかを要求されたりする時も、「体幹しっかりしてますね!」と言われたりし、そういうところに効果が出てきているのかなと思ってます。
あと、マインドもすごく大事で前向きかどうかってこともすごく重要な気がします。
新しいことにチャレンジする意欲があるお年寄りはすごく元気だし、前進する力がある気がしますね。
なので、私も年を重ねた時には前向きな人でありたいなと思います。
── なるほど、日々の小さな積み重ねと前向きな気持ちが大切なんですね。
あと呼吸も大事だと感じています。
私はもともと呼吸が浅いほうで、人前に出る仕事なので緊張すると息が浅くなり、肩が上がってしまうんです。
「あ、今緊張しているな」と気づくことも多いので、そういう時でも自分の呼吸を整えられるように、普段から呼吸を意識しています。
また、よく色々な先生が言っていることですが、人は「呼吸」と「姿勢」が大事だと思っています。
姿勢というのは見た目の体の姿勢だけではなくて、物事に向き合うときの心構えや取り組む姿勢も含まれると思うんです。
年齢を重ねるにつれて、新しい仕事に向き合うときの気持ちの持ち方や最初の意識によって、その後の結果や未来が変わってくるんだなと感じるようになりました。
なので、体の姿勢だけでなく、物事に向き合う姿勢も大事にしたいと思うようになりました。
” Change of Life “に込めた思い

画像:YouTube『羽田美智子のChange of Life』より
── YouTubeを始めたきっかけや、番組名に「Change of Life」という言葉を使用された背景とは?
スタッフとの会話の中で、年下の女性スタッフから体調や年齢による変化について相談を受けることが多く、これまで自分が経験してきたことをアドバイスする機会がよくありました。
そうした話は、同じように悩んでいる人の役に立つのではないかとスタッフから提案され、YouTubeで発信してみようと思ったのがきっかけです。
以前は井戸端会議のように世代を越えて情報交換する場がありましたが、最近はそうした機会も減ってきています。そこでYouTubeを通して世代を越えた交流や情報交換ができたらいいなという思いもありました。
番組名の「Change of Life」は、更年期を英語で調べたときに知った言葉です。
日本では更年期は少しネガティブな印象がありますが、海外では「人生の転換期」として前向きに捉えられていると知り、そういうポジティブなイメージを広めたいと思ってこの名前にしました。
── 視聴者の皆さんにとってどのような居場所にしたいと考えていますか?
現代の人たちは本当に忙しく、仕事だけでなく、家庭では良いパートナーや親、子どもとしての役割、さらに高齢の親のことまで、1人で何役もこなしていると思います。
便利な時代になった一方で、その分みんなとても疲れていると感じています。
だからこのYoutubeチャンネルでは、「みんな本当にお疲れさま」と声をかけてあげられるような、ほっとできる場所にしたいと思っています。
SNSでは発言しづらかったり、批判を気にして本音を言えないこともありますが、この場所では少し肩の力を抜いて、本音や体験談を話せるような雰囲気にしたいです。
自分の悩みや経験を共有して「私だけじゃなかったんだ」と感じてもらえたり、「わかる、わかる」と共感し合えるような、安心して話せる温かい居場所になったらいいなと思っています。
── チャンネルを通して視聴者の方に伝えていきたいメッセージはありますか?
このチャンネルが、視聴者にとって少しでも癒やしの時間になればいいなと思っています。
そして「1人で悩まないでほしい」というメッセージを伝えたいですね。悩みを1人で抱え込むと、気持ちがどんどん追い込まれてしまうこともあるので、その前にこの場所をのぞいてもらって「1人じゃない」と感じてもらえたらうれしいです。
チャンネルのイメージとしては、人生が時には砂漠のように大変でも、ふと立ち寄って休める“オアシス”のような場所。肩の力を抜いてリラックスしながら、少し元気を取り戻してもらえるような場にしたいと思っています。
「まだまだ若い」未来の自分から今を見つめるということ

── 最後に読者の方へメッセージをお願いいたします。
最近、88歳の作家が姪に宛てて書いた本「老いることの驚きと幸せ―これから年を重ねていくあなたへ、88歳の作家からの手紙」を読んだのですが、
その中で「50代や60代なんて、私から見たらまだ小娘よ」という言葉がとても印象的でした。
そこで私も、一度自分が80歳になったと想像して、今の自分を振り返ってみたんです。そうしたら「57歳の自分は、まだまだ若いじゃない」と思えたんですね。
だから、50代や60代の方にはぜひ一度、80歳の自分を想像して今の自分を見てみてほしいんです。きっと「まだまだ若い」「可能性がある」と感じられると思います。
できなくなったことや失ったものばかりを見るのではなく、「まだできることがある」と前向きに考えてほしいですね。
そして、将来の自分を想像することで、今できる準備も見えてきます。例えば、80歳でも元気に動ける自分でいたいなら、今から運動習慣をつけたり、骨や筋肉を大事にしたりすることも大切です。
未来の自分を思い描きながら、「まだまだ大丈夫」「これからもできることがある」と思って、一緒に前向きに歩んでいきましょう。
最後に
俳優として第一線で活躍し続けながら、年齢とともに訪れる心身の変化とも丁寧に向き合ってきた羽田美智子さん。
骨折の経験を通してあらためて実感した「健康は人生の土台」という思い、忙しい日常の中でも続けられる“隙間運動”、そして年齢を前向きに捉える心の持ち方——
その一つひとつには、これから年齢を重ねていく私たちにとって大切なヒントが詰まっていました。
インタビューでは終始明るい表情で、前向きな言葉をたくさん届けてくださった羽田さん。そのポジティブな考え方や温かな人柄に、こちらまで元気をもらえるような時間となりました。
更年期や健康、暮らしの気づきについて発信している羽田さんのYouTubeチャンネル「羽田美智子のChange of Life」では、今回のインタビューと同じように、肩の力を抜いて人生と向き合うためのヒントが数多く語られています。
忙しい日々の合間に、少し立ち止まって心と体を整える時間として、ぜひのぞいてみてはいかがでしょうか。
年齢を重ねることを不安ではなく“人生の転換期”として楽しむ、そんな前向きな視点が、きっとこれからの日々をより豊かにしてくれるはずです。
羽田美智子さん 公式SNS・Youtubeチャンネルリンク
クレジット
ヘアメイク:木下優
スタイリスト:入江未悠

