カルシウムは私たちの健康にとって欠かせない栄養素ですが、実際には不足している方も多いのが現実です。骨や歯の健康を保つためには、適切な量のカルシウムを日々摂取することが大切です。
しかし、カルシウムを含む食品をどのように選び、効率的に摂取するかは意外と知られていません。
この記事では、カルシウム不足を防ぐためのおすすめ食材や、日常生活に取り入れやすい、効率的な摂取方法についてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

この記事の監修者:大井 美恵子(小児科・内科・皮膚科・アレルギー科)
経歴:
金沢医科大学卒業後、広島市立広島市民病院小児科医として経験を積み、2016年に姉と共に「女医によるファミリークリニック」を広島市で開業。小児科・内科・皮膚科・アレルギー科を診療し、家族全員の健康を支えるホームドクターを目指しています 。
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■所属学会・資格
難病指定医
キレーション認定医
小児慢性特定疾患指定医
子どもの心相談医
高濃度ビタミンC点滴療法認定医新生児蘇生法専門コース認定医
日本小児科学会
日本周産期新生児医学会
日本小児神経学会
日本リウマチ学会
抗加齢医学会
高濃度ビタミンC点滴療法学会
日本アレルギー学会
日本小児皮膚科学会
日本小児科医会
広島県小児科医会
赤ちゃん成育ネットワーク
点滴療法研究会
■メディア露出実績
TV広島テレビ
TSSテレビ新広島
広島ホームテレビ
テレビ朝日(羽鳥慎一のモーニングショー)
フジテレビ(Live News イット!)
カルシウムの重要性
そもそもカルシウムの重要性とは?
カルシウムは人体に最も多く含まれるミネラルで、骨や歯の形成に欠かせない成分です。
成人の体内には約1kgのカルシウムが含まれ、これがさまざまな生理的機能を支えています。主にリン酸カルシウムの形で骨や歯のエナメル質に存在し、その強度と構造を維持しています。
カルシウムは骨だけでなく、血液、筋肉、神経にも重要な役割を果たしています。血液中のカルシウムイオンは、血液凝固を助けると同時に、心筋の収縮をサポートし、筋肉の興奮性を調整することでスムーズな筋肉の動きを促進します。
カルシウムが不足すると、骨の成長が不十分になり、骨粗鬆症などの骨の健康問題が引き起こされる可能性があります。
カルシウムの1日の摂取基準量
カルシウムの重要性を理解したうえで、次に気になるのは、どれくらいの量を摂取すればよいのかという点です。日本人の食事摂取基準(2025年版)によると、カルシウムの1日の推奨摂取量は年齢や性別によって異なります。
成長期の子供や思春期の若者は骨の発育が活発なため、カルシウムの必要量が増加します。一方で、成人や高齢者の推奨量も、健康な骨密度を維持するために設定されています。
これらの推奨摂取量を満たすためには、日々の食事でカルシウムを意識的に摂取することが必要です。次のセクションでは、カルシウムを豊富に含む食材について詳しく紹介し、どの食品が効率的にカルシウムを摂取できるかを紹介します。
カルシウムを豊富に含む食材
牛乳・乳製品
牛乳や乳製品は、カルシウムを豊富に含む代表的な食品であり、手軽に摂取できるのが魅力です。
食材 | カルシウム量 |
---|---|
牛乳(210g/1カップ) | 231mg |
スキムミルク(20g/大さじ3) | 220mg |
アイスクリーム(普通脂肪)(100g) | 140mg |
プロセスチーズ(20g) | 126mg |
牛乳(全脂無糖)(100g/1カップ) | 120mg |
大豆製品
大豆製品は、カルシウムの豊富な植物性食品として注目されています。
また、大豆製品はタンパク質やその他の栄養素も豊富で、バランスの良い食事に役立ちます。
食材 | カルシウム量 |
---|---|
焼き豆腐(100g/1/3丁) | 150mg |
生揚げ(60g/1/3枚) | 144mg |
がんもどき(50g/中1個) | 135mg |
木綿豆腐(150g/1/2丁) | 129mg |
凍り豆腐(乾燥)(15g/1枚) | 95mg |
野菜類
野菜類もカルシウムを摂取する重要な源です。
日々の食事に緑黄色野菜を取り入れることで、カルシウムの不足を防ぎながら健康を維持しましょう。
食材 | カルシウム量 |
---|---|
小松菜(100g/1/4束) | 170mg |
モロヘイヤ(50g/1/2束) | 130mg |
チンゲンサイ(100g/1束) | 100mg |
切干大根(10g) | 50mg |
いりごま(3g/小さじ1) | 36mg |
魚介類
魚介類もカルシウムを豊富に含む食材です。
特に、小魚やエビ、カニなどの殻ごと食べられるものはカルシウムの含有量が高いです。
また、魚介類にはビタミンDも含まれており、カルシウムの吸収を助ける役割があることも特徴の一つです。
食材 | カルシウム量 |
---|---|
干しエビ(10g) | 710mg |
シシャモ(60g/3尾) | 198mg |
イワシ丸干し(30g/1尾) | 171mg |
シジミ(50g/中10個) | 120mg |
しらす干し(10g/大さじ2) | 120mg |
これらの食材以外にも、カルシウムを含む食材はございます。
乳製品から魚介類まで、多様な食材をバランスよく組み合わせることが重要です。
また、自分に合った食材を選び、無理なくカルシウムを摂取することを心がけて、継続的に摂取することが大切です。
カルシウムの効率的な摂取方法
ここからは、カルシウムの効率的な摂取方法について紹介します。
バランスの良い食事
まず、バランスの良い食事が基本となります。
特定の食品に偏らず、さまざまな食材からカルシウムを摂ることが重要です。
例えば、乳製品だけでなく、野菜類、大豆類、魚介類などからもカルシウムを摂取することで、栄養バランスが整いやすくなります。
カルシウムは他の栄養素と相互作用するため、総合的な栄養バランスを考えることが必要です。
例えば、ビタミンDやマグネシウムはカルシウムの吸収を助ける働きがありますので、これらの栄養素も含めたバランスの良い食事を心がけましょう。
カルシウムの吸収を高める
カルシウムの吸収率を高めるためには、いくつかのポイントがあります。
まず、ビタミンDを摂取することが重要です。ビタミンDはカルシウムの腸内吸収を促進するため、
日光浴をしたり、ビタミンDを豊富に含む魚やキノコを摂取することが有効です。
また、食事の際にカルシウムを含む食品とともに、脂質を適量摂取することも効果的です。
脂質はカルシウムの吸収を助ける働きがあります。
しかし、過剰な脂質摂取は避けるべきですので、バランスを考えながら摂取することが大切です。
さらに、カフェインやアルコールはカルシウムの吸収を妨げることがありますので、
これらの摂取を控えることもポイントです。特に、食事中や食後すぐのカフェイン摂取は避けるよう心がけましょう。
よくある質問
Q.カルシウム不足の症状は?
カルシウム不足の主な症状には、骨の痛みや脆さ、歯の問題、筋肉の痙攣やこむら返り、しびれや感覚異常があります。
また、長期的なカルシウム不足は骨粗しょう症のリスクを高め、骨折しやすくなる原因となります。
さらには、不眠や集中力の低下、イライラなどの精神的な症状も見られることがあります。
Q.カルシウムを摂りすぎるとどうなりますか?
カルシウムを摂りすぎると、高カルシウム血症や、腎結石のリスクが増加するほか、
過剰なカルシウムは体内で吸収されず、尿中に排出されるため、結石の原因になることがあります。
通常の食事で過剰摂取になることはありませんが、サプリメントを使用する際は注意が必要です。
Q.カルシウムサプリメントを取るべき?
カルシウムサプリメントは、食事から十分なカルシウムを摂取できない場合に有効です。
サプリメントを使用する前に、医師や栄養士に相談し、自分に合った摂取方法を確認することをお勧めします。
食事からの摂取を基本とし、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
まとめ
カルシウムは健康な身体を維持するために欠かせない栄養素ですが、意識して摂らないと不足しがちです。
特に成長期の子供や、40代以降の女性はカルシウムの摂取を心がけることが重要です。
今回ご紹介した内容を参考に、栄養バランスの整った食生活を基本に、カルシウムを効率よく摂取し、健康的な身体を目指してください。