「うちの子、背が低いけど大丈夫?」「どうしたらもっと身長が伸びるの?」
子供の成長は、親にとって大きな関心事の一つですよね。
特に身長は、遺伝的な要素が大きいと思われがちですが、実はそれだけではありません。後天的な要因も大きく影響します。
この記事では、子供の身長を伸ばすために必要なことを、わかりやすく解説していきます。遺伝や食事、運動、睡眠など、様々な角度からアプローチすることで、こどもの健やかな成長をサポートする方法をご紹介します。

この記事の監修者:大井 美恵子(小児科・内科・皮膚科・アレルギー科)
経歴:
金沢医科大学卒業後、広島市立広島市民病院小児科医として経験を積み、2016年に姉と共に「女医によるファミリークリニック」を広島市で開業。小児科・内科・皮膚科・アレルギー科を診療し、家族全員の健康を支えるホームドクターを目指しています 。
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■所属学会・資格
難病指定医
キレーション認定医
小児慢性特定疾患指定医
子どもの心相談医
高濃度ビタミンC点滴療法認定医新生児蘇生法専門コース認定医
日本小児科学会
日本周産期新生児医学会
日本小児神経学会
日本リウマチ学会
抗加齢医学会
高濃度ビタミンC点滴療法学会
日本アレルギー学会
日本小児皮膚科学会
日本小児科医会
広島県小児科医会
赤ちゃん成育ネットワーク
点滴療法研究会
■メディア露出実績
TV広島テレビ
TSSテレビ新広島
広島ホームテレビ
テレビ朝日(羽鳥慎一のモーニングショー)
フジテレビ(Live News イット!)
子供の身長に影響を与える要因
子供の身長は、様々な要因が複雑に絡み合って決まります。
大きく分けると、「遺伝的要因」と「環境的要因」の二つに分けられます。
遺伝的要因とは?
身長の遺伝的要因とは、両親から子供へと受け継がれる遺伝子が、子供の身長に大きな影響を与えることを指します。
具体的には、骨の成長やホルモン分泌、代謝などに関連する遺伝子が、身長の伸びを左右します。
例えば、身長に関連する多くの遺伝子は、骨の成長速度や骨端軟骨の発達、成長ホルモンの分泌量などを調整します。
両親が高身長の場合、その子供も高身長になる可能性が高いのは、これらの遺伝子の影響によるものです。また、遺伝子は身長だけでなく、体型や骨格の特徴にも影響を及ぼします。
環境的要因とは?
身長の成長には、遺伝的要因だけでなく、さまざまな環境的要因が影響を与えます。
具体的には、次のような要因が身長に大きな影響を及ぼします。
- 食生活(栄養)
- 健康・精神状態
- 睡眠
- 適度な運動
これらの要因が複雑に絡み合いながら、身長に影響を与えます。
遺伝的要因が身長に与える影響は約60~80%という諸説があり、改善することは難しいですが、残りの20~40%は環境的要因に左右されます。
そのため、遺伝的に身長が低めであっても、適切な生活習慣を維持することで、子供の身長を最大限に伸ばす可能性があります。
健康・精神状態
身長の成長には、健康な体と良好な精神状態が欠かせません。
ここでは、健康と精神状態を改善するための具体的な対策についてご紹介します。
定期的な健康チェック
成長期の子供は、定期的に健康診断を受けることが重要です。
特に、慢性疾患や栄養不足が成長に影響を与える可能性があるため、異常を早期に発見し対処することが必要です。
ストレス管理
精神的なストレスは成長に悪影響を及ぼすことがあります。
ストレスを軽減するためには、リラクゼーションや趣味、運動などの活動を取り入れ、心身のバランスを保つことが大切です。
また、家庭や学校でのサポートを受けることも、ストレスを和らげる助けになります。
睡眠
身長の成長には十分な睡眠が不可欠です。
特に成長期の子供やティーンエイジャーにとって、質の高い睡眠が成長ホルモンの分泌を促進し、健全な成長を支えます。
毎日同じ時間に就寝し、同じ時間に起床することで、体内時計を整え、良質な睡眠を確保します。規則正しいスケジュールは、睡眠の質を向上させるために重要です。睡眠の質を向上させ、成長ホルモンの分泌を促進し、身長の伸びをサポートすることができます。
これらの対策を実践することで、健康的な体を維持し、精神的な安定を保つことが、身長の伸びに良い影響を与えます。健全な成長環境を整えるために、日常生活でこれらの要素に意識を向けることが大切です。
食生活(栄養)
身長の成長には、適切な栄養も欠かせません。
特に成長期には、以下の栄養素を意識的に摂取することが重要です。
タンパク質
成長期の体には充分なタンパク質が必要です。
筋肉や骨の成長をサポートするために、肉、魚、卵、大豆製品などの高タンパク質食品を積極的に取り入れましょう。1日の食事にこれらをバランスよく含めることで、体の成長を促進します。
カルシウム
骨の健康を維持するためにはカルシウムが必須です。
カルシウムが豊富な食品としては、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、または小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜があります。これらを食事に取り入れて、骨を強く保つことが重要です。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける役割を果たします。
日光を浴びることで体内で生成されるほか、サーモンやマグロなどの脂肪の多い魚や、ビタミンD強化された食品を摂取することで補うことができます。ビタミンDの適切な摂取は、骨の成長を促進します。
鉄分
鉄分は血液の健康を保ち、成長をサポートします。
赤身の肉やレバー、豆類、ほうれん草などに含まれており、これらを意識的に摂取することが推奨されます。
バランスの取れた食事
食事全体のバランスも重要です。
各食事で多様な栄養素を摂取することが、体の成長を最適化します。規則正しい食生活を心がけ、偏った食事を避けるようにしましょう。
これらの栄養素を意識して摂取することで、身長の伸びをサポートし、健康的な成長を促進することができます。日々の食生活を見直し、必要な栄養素をバランスよく摂取することが、身長の最大化に繋がります。
適度な運動で身長を伸ばすための対策
適度な運動は骨や筋肉の発達を助け、全体的な健康をサポートすることで、身長の伸びに寄与します。以下に、適度な運動を取り入れるための具体的な対策を紹介します。
定期的な運動習慣の確立
成長期の子供は、週に数回の運動を習慣化することが重要です。
ジョギングやサイクリング、スイミングなどの有酸素運動は、全身の血流を促進し、骨や筋肉の成長をサポートします。
骨を強化する運動
骨の成長を促進するためには、骨に負荷をかける運動が有効です。例えば、ジャンプやランニング、バスケットボール、サッカーなどの体重を支える運動は、骨の密度を高め、成長を助けます。
ストレッチと柔軟性の向上
ストレッチやヨガなどの柔軟性を高める運動は、筋肉と関節の健康を保ち、全体的な姿勢を改善するのに役立ちます。定期的にストレッチを行うことで、成長期の子供に必要な柔軟性とバランスを養うことができます。
これらの対策を実践することで、適度な運動を取り入れ、身長の成長をサポートすることができますが、子供が楽しんで続けられる運動を選ぶことが最も重要です。運動が楽しいものであれば、自然と継続する意欲が高まります。
まとめ
子供の身長の伸びには、遺伝的要因と環境的要因の両方が影響を与えます。
遺伝的要因は身長に大きな影響を与えますが、それを変えることは難しいのが現実です。
しかし、環境的要因は改善可能です。食生活、健康状態、睡眠、適度な運動などの環境を整えることで、身長の伸びを最大限にサポートすることができます。
日々の生活習慣や環境を見直し、子供の健やかな成長を支えていきましょう。