日常生活の中で、イライラやストレスを感じる瞬間は誰にでもあることです。
しかし、もしそのイライラが原因不明で、長期間続いているのであれば、もしかしたら「カルシウム不足」が影響しているかもしれません。
カルシウムは私たちの体にとって非常に重要な栄養素で、骨や歯の健康を保つだけでなく、神経や筋肉の正常な働きにも欠かせません。実は、カルシウムが不足すると、精神的な不調も引き起こす可能性があるのです。
今回は、カルシウムとイライラの関係について解説し、カルシウム不足が引き起こすイライラの症状や予防法、改善方法をお伝えします。あなたのイライラがカルシウム不足に関係しているのかどうかを一緒に考えてみましょう。

この記事の監修者:大井 美恵子(小児科・内科・皮膚科・アレルギー科)
経歴:
金沢医科大学卒業後、広島市立広島市民病院小児科医として経験を積み、2016年に姉と共に「女医によるファミリークリニック」を広島市で開業。小児科・内科・皮膚科・アレルギー科を診療し、家族全員の健康を支えるホームドクターを目指しています 。
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■所属学会・資格
難病指定医
キレーション認定医
小児慢性特定疾患指定医
子どもの心相談医
高濃度ビタミンC点滴療法認定医新生児蘇生法専門コース認定医
日本小児科学会
日本周産期新生児医学会
日本小児神経学会
日本リウマチ学会
抗加齢医学会
高濃度ビタミンC点滴療法学会
日本アレルギー学会
日本小児皮膚科学会
日本小児科医会
広島県小児科医会
赤ちゃん成育ネットワーク
点滴療法研究会
■メディア露出実績
TV広島テレビ
TSSテレビ新広島
広島ホームテレビ
テレビ朝日(羽鳥慎一のモーニングショー)
フジテレビ(Live News イット!)
カルシウムと精神状態の関係
カルシウムは私たちの体内で重要な役割を果たす栄養素です。
一般的には、骨や歯の健康を保つために欠かせないものとして知られていますが、それだけではありません。
カルシウムは、神経や筋肉の正常な機能を維持するためにも非常に重要な役割を果たしています。これが不足すると、身体的な症状だけでなく、精神的な不調にも繋がることがあります。
カルシウムの役割
カルシウムは、神経伝達に必要な物質の一つです。
神経細胞同士の信号を伝えるためにはカルシウムが必要で、これが正常に機能しないと、神経の働きが鈍くなります。
つまり、カルシウムが不足すると、神経の伝達がスムーズにいかず、イライラ感や不安感、さらには集中力の低下を引き起こすことがあります。
神経伝達におけるカルシウムの重要性
カルシウムは神経伝達物質の分泌を助け、ストレスや感情に関わる神経回路を調節します。
カルシウムが不足することで、これらの神経伝達がうまく行かなくなり、精神的な不調が現れやすくなります。
特に、感情をコントロールするために必要な神経伝達物質(例:セロトニンやドーパミン)の分泌が正常に行われないと、イライラしやすくなったり、落ち着きがなくなったりすることがあります。
カルシウム不足がイライラに繋がるメカニズム
カルシウム不足がイライラを引き起こす主な理由は、神経系の不調にあります。
カルシウムは神経細胞にとって「信号」を伝える重要な役割を果たしており、これが不足することで神経が過剰に興奮したり、逆に反応が鈍くなったりします。
その結果、精神的に不安定になりやすく、イライラした気持ちが長引くことになるのです。
カルシウム不足が引き起こすイライラの症状とは?
カルシウムが不足すると、どのような症状が現れるのでしょうか?ここでは、カルシウム不足によって引き起こされる具体的な症状を紹介します。
よくある症状
カルシウム不足が引き起こす代表的な症状には、以下のようなものがあります。
- イライラ感: カルシウムが不足すると、神経の伝達が不安定になり、気分が落ち着かなくなることがあります。これがイライラ感や焦燥感を引き起こします。
- 不安感や気分の落ち込み: セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の分泌に影響を与えるため、気分が落ち込みやすくなることがあります。
- 眠れない: 神経の過剰な興奮が眠れない原因になることもあります。
カルシウム不足の影響が特に出やすい時期
カルシウム不足による精神的な影響は、特に以下のような時期に現れやすいです。
- ダイエット中: 食事制限が続くとカルシウム摂取が不十分になりがちです。これが精神的な不安定さを引き起こすことがあります。
- ストレスが多い時期: ストレスが溜まると、カルシウムが消耗されるため、さらにイライラしやすくなります。
- 女性の生理前: ホルモンバランスの変化に伴い、カルシウムの吸収が妨げられることがあり、この時期は特に精神的な不調が現れやすいです。
症状の違い
カルシウム不足によるイライラ感と、他の原因によるイライラ感(例:ストレスや睡眠不足)との違いは、持続性やその他の症状に現れることがあります。
カルシウム不足の場合、筋肉のこわばりや疲れやすさも感じることが多いです。
カルシウム不足の予防と改善方法
カルシウム不足を予防するための方法や、改善策を実践することが大切です。
ここでは、カルシウムを効果的に摂取するための方法をいくつか紹介します。
カルシウムが豊富な食品
カルシウムは、さまざまな食品に含まれています。
主に以下のような食品を積極的に摂取することで、カルシウム不足を予防できます。
- 乳製品: 牛乳やヨーグルト、チーズはカルシウムが豊富です。
- 魚介類: 小魚(イワシやサンマなど)はカルシウムを効率よく摂取できる食品です。
- 緑黄色野菜: ケールやブロッコリーなど、緑黄色野菜にもカルシウムが含まれています。
カルシウムの吸収を助ける食べ合わせ
カルシウムを効率よく吸収するためには、ビタミンDを一緒に摂取することが重要です。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の健康にも良い影響を与えます。
ビタミンDが豊富な食品には、魚類(サーモンやサバなど)や卵黄、きのこ類があります。
サプリメントの活用
食事だけで十分にカルシウムを摂取できない場合は、サプリメントの利用を考えても良いでしょう。
ただし、過剰摂取は逆に健康に悪影響を与える可能性があるため、摂取量には注意が必要です。
サプリメントを使う際は、必要な摂取量を守ることが大切です。
まとめ
カルシウム不足がイライラを引き起こすことは、実はよくあることです。
食生活を見直し、カルシウムを効果的に摂取することで、心の健康を守り、日々のストレスを軽減することができます。
今すぐ、自分のカルシウム摂取量を見直して、心も体も健康な生活を送るための第一歩を踏み出しましょう。