私たちの体を支え、日々の移動を可能にしている「足」。しかし、足のケアについて意識する機会は、意外と少ないのではないでしょうか。
ワダカルシウム製薬では「歩くと元気を、未来まで。」という想いを掲げ、歩くことを通じた健康づくりを大切にしています。そんな中、同じグループ会社であるアブコ株式会社が展開する「フットケアサロン Foot Balance」の取り組みに注目しました。
フットケアサロン Foot Balanceは、ドイツで誕生したポドロジー(足の学問)の理論をベースに、フランスの伝統美容と日本独自の技術を組み合わせたフットケアシステムを提供するサロンです。ヨーロッパのフットケア文化を取り入れながら、足の健康と美しさをサポートしています。
今回は、アブコ株式会社のフットバランス事業に携わる取締役・内堀加奈子氏に、足のトラブルの原因や足本来の機能、そして日常でできるセルフケアについてお話を伺いました。
足のトラブルと靴の関係。ヨーロッパで発展したフットケア文化

── まず初めに、そもそも「フットケア」とはどういったものなのでしょうか?ケアの対象となる「足」というのは、足裏だけのことですか?
私たちが考えるフットケアの「足」は、足裏だけではなく腰から下全体を指しています。
足裏だけをケアすれば良いというわけではありません。
人間の体の土台となる腰から下がしっかり健康でなければ、全身のバランスは整わないと考えています。
つまりフットケアとは、単に足裏を整えるものではなく、腰から下全体を一つの“足”として捉え、その本来の機能を回復・改善していくケアです。
この足の機能がしっかり備わっていないと、さまざまな体のトラブルのスタートになってしまうんです。
── なるほど、腰から下全体が体の土台なのですね。では、足のトラブルについて伺います。日常生活の中で、靴を履くことが足の歪みや不調に影響することはあるのでしょうか?
結論から言うと、履く靴の種類によっては足の歪みを引き起こします。
私たちが「ドイツ式」と呼んでいる理由の一つに、ヨーロッパのフットケア文化があります。ヨーロッパでは、幼少期から足のケアをする文化が根付いているんです。
例えばヨーロッパでは、家の中でも靴を履いて生活するのが一般的ですよね。一方、日本は靴を脱いで家に上がる文化です。
ヨーロッパは靴を履いて生活してきた歴史が長い分、足のトラブルの歴史も長く、靴や足のケアに対する意識や技術が非常に発展してきました。
それに比べると、日本は靴文化の歴史が浅い分、足のケアに対する意識はまだこれからと言えるかもしれません。だからこそ、靴を履く生活の中で起こる足のトラブルを防ぐためにも、フットケアの重要性を知り、日常的にケアしていくことが大切だと考えています。
── システムに取り入れている「フランスの伝統美容」とは、どのようなものなのでしょうか?
「タラソテラピー」と呼ばれる、海由来の成分を使った自然療法です。
人間はお母さんのお腹の中、つまり羊水の中で育ちますよね。羊水は、いわば体の中にある小さな海のような存在です。
人間の体液のミネラルバランスが整っていないと、健康を保つことはできません。そこで、人間が誕生した環境に近い成分を持つ海のミネラルを活用するタラソテラピーの考え方を取り入れています。
つまり、外側のトラブルに対応するドイツ式フットケア、体内のミネラルバランスを整えるフランスのタラソテラピー、そして日本のマッサージやストレッチ技術。この3つを融合させたものが「フッドバランス」というシステムなんです。
足本来の機能と、そこから生まれる足のトラブル

── 足の機能が低下すると、どのような不調が現れるのでしょうか?
まず前提として、人間の足には“足本来の機能”があります。大きく分けて2つあり、1つ目は心臓から流れてきた血液を再び心臓へ押し戻すポンプ機能、2つ目は歩いたときにかかる衝撃を分散するクッション機能です。
心臓から送り出された血液は約1分で体を一周すると言われていますが、足裏は心臓から最も遠い折り返し地点です。歩くたびに足がバネのように働き、血液を心臓へ押し戻しています。
しかしこのポンプ機能が低下すると血液が戻りにくくなり、足元に滞ってしまいます。すると「冷え」や「むくみ」、「疲れ」といった不調が現れやすくなり、血流が滞ることで足裏の乾燥や爪の弱りなどにもつながります。
一方で、足には歩行時の衝撃を吸収するクッション機能も備わっています。歩くとき、足には体重のおよそ1.2倍の負担がかかるとされており、日々の歩行だけでも足には大きな負担がかかっています。
このクッション機能が十分に働かないと、歩行時の衝撃が足の特定の部分に集中してしまいます。すると体は骨を守ろうとして角質を厚くするため、「タコ」や「魚の目」、さらには「巻き爪」といったトラブルが起こりやすくなります。
だからこそ、足の機能を整え、日常的にケアしていくことが大切なのです。
── 実際に施術を受けた方には、どんな変化がありますか?
一番多いのは、「歩くのが楽しくなった」という声です。
外反母趾や巻き爪、むくみが改善されると、歩くこと自体がとても楽になります。旅行先でも、これまでは足が疲れて座ってばかりだった方が「もっと歩きたい」と思えるようになるんです。
足が元気になり、血流が良くなり、衝撃が正しく分散される。そうなれば、歩くのが楽しくなるのは自然なことですよね。
また、足がしっかり地面につくようになると姿勢も良くなります。姿勢が良くなると体の循環が整い、顔色も明るくなり、見た目も若々しく見えるようになります。
足の状態を日常で整える「オリジナルインソール」

── サロンでオリジナルインソールを作成できるとのことですが、市販のインソールとはどのような違いがあるのでしょうか?また、どのような目的で使用するものなのでしょうか?
インソール自体は、足のポンプ機能とクッション機能をサポートする役割がありますが、市販品との大きな違いは、足の状態を整えた上で作るという点です。
サロンではまず、関節の可動域を広げるなどして歪んだ足を理想に近い状態へ整えます。そのうえで、その足裏の形状をオリジナルインソールに形状記憶させます。
サロンで施術を受ける機会は月に1〜2回程度ですが、それ以外の日常生活の時間の方が圧倒的に長いですよね。
だからこそ、日常的にインソールを使うことで、正しい足の状態を体と脳に記憶させていくことが目的になります。
例えば筋トレと同じで、週に1回だけでは体はなかなか変わりません。毎日の積み重ねによって少しずつ体が変わっていきます。足も同じで、正しい状態を習慣として続けていくことが大切です。そのため、インソールは最低でも3〜5ヶ月ほど継続して使用していただくことをおすすめしています。
自宅でできる簡単なセルフケア

── 日常生活で簡単にできるセルフケアはありますか?
足首が固まって可動域が狭くなっている方がとても多いです。
簡単なケアとしておすすめなのは、足首を回すことです。布団の中や朝起きた時に、ひらがなの「の」の字を書くように回すだけでも違います。
もう一つは、歯磨きをしながらできる運動です。つま先立ちを10秒キープし、その後、足裏を床につけたまま足の指だけを上げる動きを行います。この「つま先立ち」と「指上げ」を歯磨きの間に行うだけでも効果があります。
足の裏には、5本の指につながる筋肉があります。足首を回したり、指でパーの形を作ったりして動かすことで筋肉を鍛えることができます。これを怠ると、年齢を重ねた時にすり足になり、転倒の原因にもなってしまいます。
「すべては足から」

── 最後に、読者へのメッセージをお願いします。
「足が変われば体が変わる。足が変われば前向きになる。」
本当に、これに尽きると思います。それくらい、足は大切な存在です。
フットケアの施術を終えると、女性のお客様の顔色がパッと明るくなることがあります。まるで自然なチークが入ったような感じになるんです。
血流が良くなるので当然なのですが、皆さん本当に元気な表情で帰っていかれます。
足をケアすれば、元気にもなるし、きれいにもなる。気分も前向きになります。
だからこそ、「すべては足から」だと。私は思っています。
最後に
足は、私たちの体を支える土台であり、日々の「歩く」という行動を支える大切な存在です。しかし、普段の生活の中で足の状態を意識する機会はそれほど多くありません。
今回のインタビューでは、足には血液を循環させるポンプ機能や、歩行時の衝撃を吸収するクッション機能といった重要な役割があること、そしてそれらの機能が低下すると「冷え」や「むくみ」、「タコ」や「巻き爪」などのトラブルにつながる可能性があることが分かりました。
足の状態をより専門的にケアしたい方は、フットケアサロンの利用もおすすめです。
「フットケアサロン Foot Balance」では、一人ひとりの足の状態に合わせたフットケアを提供しています。
足を整えることは、快適に歩き続けるための大切なケアです。セルフケアだけでなく、専門的なフットケアも取り入れながら、ぜひ足の健康づくりを始めてみてはいかがでしょうか。




