健康診断は受けているものの、「自分の体の変化」を日常的に意識する機会は意外と少ないものです。
そうした中で、研究への参加と自身の健康管理を両立させる新しい取り組みとして注目されているのが、健康ラボステーションが展開する「健康科学研究応援隊」です。
健康ラボステーションは、本メディアにおいて健康レシピの考案も手がけており、日々の食生活から健康づくりを支える取り組みを行っています。
今回お話を伺ったのは、その健康ラボステーションで理事長を務める浦田さん。
大切な家族との経験をきっかけに始まった活動は、今では企業の商品開発や研究支援にも広がりを見せています。
「健康を“自分ごと”として捉えるにはどうすればいいのか」
そして、「企業と個人が一緒に健康づくりに関わるとはどういうことなのか」。
その考え方と取り組みについて、詳しくお話を伺いました。

認定特定非営利活動法人 健康ラボステーション 理事長 浦田 千昌
家族をがんで亡くした経験をきっかけに健康分野への関心を深め、「楽しみながら健康づくりができる場」を目指して健康ラボステーションを設立。
地域に根ざした健康測定活動を展開しながら、現在は研究支援の仕組み「健康科学研究応援隊」を立ち上げ、企業と個人をつなぐ新たな健康価値の創出に取り組んでいる。
大阪を拠点に、健康寿命の延伸をテーマに国内外への展開を目指して活動中。
健康を自分ごとにする取り組みと、その原点

── 「健康科学研究応援隊」とはどのような取り組みですか?
一言でお伝えするのはなかなか難しいのですが、未来の健康を支える研究に参加・協力しながら、企業と一緒により安全で質の高い商品づくりに関わっていくチームです。
研究のためのデータ収集に協力するだけでなく、その結果を自分の健康管理にも活かしながら参加できる仕組みになっています。
── この取り組みを立ち上げたきっかけを教えてください。
大きなきっかけは、父が55歳という若さでがんを宣告されて、わずか25日で亡くなったことでした。
その出来事をきっかけに、健康について深く考えるようになりました。
最初は、「楽しみながら健康づくりができる大阪の発信拠点をつくりたい」という想いでスタートして、地域の方に自分の健康状態を知ってもらったり、健康診断の大切さに気づいてもらうことを目的にしていました。
測定を続けていく中で、「同じルールで測る」という強みを研究にも活かせるのではないかという声をいただいて、2020年頃から研究としての測定も始まっていきました。
また、参加者の中には「協力金がもらえればいい」という方も多かったのですが、実際には「測定結果を知りたい」という声も多いことに気づきました。
そこで企業さんにも結果のフィードバックを提案したところ、自分の健康管理に活かせる点がとても好評だったんです。
結果が返ってくるようになると、参加者の方も測定前のルール(絶食や運動を控えるなど)をしっかり守ってくださるようになって、その分データの質も上がっていきました。
そうした良い循環を形にしたのが、「健康科学研究応援隊」です。
企業とともにつくる価値とパートナーへの想い

── 健康科学研究応援隊では、企業とどのような形で関わっているのでしょうか?
応援隊の皆さんにご協力いただき、企業の商品やサービスに関する研究データの収集や検証を行っています。
測定はすべて同じルールで実施し、質の高いデータを提供することで、企業の商品開発や品質向上に役立てていただいています。
また、参加者には測定結果をフィードバックすることで、自身の健康管理にも活かしていただける仕組みになっています。
── その中で、どのような企業と一緒に取り組んでいきたいと考えていますか?
「お客様の笑顔を大切にしたい」と考えている企業を支援したいと思っています。
私たちは、笑顔が生まれる背景には「健康であること」「安心できること」「楽しいと感じられること」があると考えています。
企業の規模ではなく、「この企業なら安心できる」と感じてもらえる姿勢や取り組みが重要です。そうした価値観を持つ企業と共に、より良い商品やサービスを生み出していきたいと考えています。
自分の体を知ることから始まる健康づくり

── 参加者にとって、定期的な健康計測にはどのようなメリットがありますか?
私たちの測定は、研究データとしても活用される精度の高いものではあるのですが、一般的な健康診断ではあまり見ない項目(骨密度や糖化、筋力など)を扱っています。
これらは病気を見つけるためのものというより、「今の自分の状態を知る」ための指標なんです。
年に1回だけでなく、年2回や四季ごとなど、定期的に測ることで自分の変化に気づくことができます。
そして、行動を変えた結果が数値として見えてくると、「ちょっと良くなったな」と実感できて、それが次に続けるモチベーションにもつながります。
また、思うように改善しなかった経験も大切だと思っています。
「自分には運動より食事の改善が合っているのかもしれない」といった気づきにつながって、自分なりの健康管理の方法を見つけるきっかけになるんです。
── 私たちはワダカルシウム製薬として、骨密度やカルシウムに関わる分野にも関わっているのですが、その観点からお伺いしてもよろしいでしょうか。骨密度を測定することの重要性についてどのようにお考えですか?
骨粗しょう症は、検査をしないとなかなか気づきにくい病気なんですよね。
特に高齢の女性の場合、60代で約20%、70代で30〜40%、80代になると約50%と、かなり高い割合で見られると言われています。
骨密度は20歳頃をピークに、その後はどうしても少しずつ下がっていきます。
なので、自分が今どのくらいの状態にあるのかを、できるだけ早い段階から知っておくことが大切だと思っています。特に女性は、ホルモンバランスや妊娠・授乳の影響も受けやすいので、30歳くらいから定期的に測っていただくのがおすすめです。
気づかないうちに骨密度が低下してしまうと、ちょっとした衝撃で骨折してしまうこともあります。
そうしたリスクを防ぐためにも、継続的にチェックしていくことが大事だと考えています。
目指す未来と、はじめの一歩へのメッセージ

── 今後、取り組みを通してどのような未来を目指していますか?
大阪から発信して、全国へ、そして高齢化が進むアジアや世界にも広げていきたいなと考えています。目指しているのは「健康寿命の延伸」です。
「早く東京に出た方が成功しやすい」という声をいただくこともあるのですが、私にとっての成功は規模や名声ではなくて、「世界の健康寿命を伸ばすこと」なんです。
その軸を大切にしながら、これからも取り組みを広げていきたいと思っています。
── 最後に、健康管理に踏み出せない方や参加を迷っている方へメッセージをお願いします。
健康づくりに踏み出せない方には、「3日坊主を続ける」ことをおすすめしています。
3日でやめてしまっても、思い出したときにまた始めればいいんです。無理をせず、自分のペースで続けていくことが大切だと思います。
また、応援隊への参加を迷っている方も、「研究に参加しなきゃ」と構えすぎずに、まずは無料の測定会などを気軽に体験してみていただけたら嬉しいです。
ハードルを少し下げて一歩踏み出すことが、健康への第一歩になると思います。
まとめ

健康は、一度きりの診断だけで守れるものではなく、日々の気づきと行動の積み重ねが大切です。
「健康科学研究応援隊」は、研究への協力を通じて自分の体と向き合い、継続的な健康管理につなげていく新しい仕組みです。実際に弊社メンバーも測定を体験し、普段は知ることのない数値から自分の状態を具体的に把握できる機会となりました。
今回のお話を通じて感じたのは、「無理なく続けること」「自分の体を知ること」を大切にする浦田さんの考え方の素晴らしさです。
「3日坊主でもいい、また始めればいい」という言葉の通り、気負わずに続けていくことが健康への第一歩なのだと感じました。
まずは気軽に、自分の体を知ることから。
健康科学研究応援隊に参加してみてはいかがでしょうか。


