季節の変わり目や感染症の流行時期には、体調を崩しやすくなります。
そんなときこそ、日々の食事で免疫力を高めることが大切です。
本記事では、免疫力を向上させる食べ物や栄養素、効果的な摂取方法について詳しく解説します。

この記事の監修者:大井 美恵子(小児科・内科・皮膚科・アレルギー科)
経歴:
金沢医科大学卒業後、広島市立広島市民病院小児科医として経験を積み、2016年に姉と共に「女医によるファミリークリニック」を広島市で開業。小児科・内科・皮膚科・アレルギー科を診療し、家族全員の健康を支えるホームドクターを目指しています 。
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■所属学会・資格
難病指定医
キレーション認定医
小児慢性特定疾患指定医
子どもの心相談医
高濃度ビタミンC点滴療法認定医新生児蘇生法専門コース認定医
日本小児科学会
日本周産期新生児医学会
日本小児神経学会
日本リウマチ学会
抗加齢医学会
高濃度ビタミンC点滴療法学会
日本アレルギー学会
日本小児皮膚科学会
日本小児科医会
広島県小児科医会
赤ちゃん成育ネットワーク
点滴療法研究会
■メディア露出実績
TV広島テレビ
TSSテレビ新広島
広島ホームテレビ
テレビ朝日(羽鳥慎一のモーニングショー)
フジテレビ(Live News イット!)
免疫力とは?その重要性
免疫力とは、体内に侵入したウイルスや細菌などの異物を排除し、健康を維持するための防御機能です。
免疫力が低下すると、風邪をひきやすくなったり、病気の回復が遅れたりすることがあります。
現代の生活習慣、例えばストレスや睡眠不足、偏った食事などは免疫力の低下を招く要因となります。
免疫を上げる栄養素とその働き
免疫力を高めるためには、特定の栄養素を意識的に摂取することが効果的です。
以下に、主な栄養素とその働きを紹介します。
ビタミンA
皮膚や粘膜のバリア機能を維持し、病原体の侵入を防ぎます。
また、免疫細胞の働きを調整して抗体の生成を促します。
にんじん・かぼちゃ・ほうれん草など緑黄色野菜、うなぎやレバーに多く含まれています。
ビタミンC
強力な抗酸化作用により免疫細胞を保護し、白血球の機能を高めます。
さらに、コラーゲン生成を促して皮膚の健康を維持し、外部からの侵入を防ぐ役割もあります。
主にキウイフルーツ、柑橘類、ブロッコリー、パプリカなどが豊富な供給源です。
ビタミンD
腸内環境を整えて腸のバリア機能を強化し、免疫細胞の働きを高めて病原体の排除をサポートします。
きくらげ、しいたけなどのきのこ類や、鮭・サバなどの魚介類に多く含まれます。
ビタミンE
抗酸化作用によって免疫細胞を活性化し、血行を促進して体温・代謝を向上させることで免疫力の向上に寄与します。
アーモンドやピーナッツなどのナッツ類、ほうれん草、うなぎに豊富です。
亜鉛
皮膚・粘膜の健康を保ち、免疫細胞の機能と抗体生成をサポートします。
牡蠣、豚レバー、牛肉、卵黄などに含まれています。
鉄
免疫細胞が病原体を排除する際に必要な活性酸素の生成を助けるほか、免疫細胞の分化・増殖にも重要な役割があります。豚・鶏レバー、牛肉、さんま、かつおなどに豊富です。
免疫を上げる代表的な食べ物10選
免疫力を高めるためには、以下のような食べ物を積極的に取り入れることが効果的です。
- ブロッコリー:ビタミンCや食物繊維が豊富で、抗酸化作用があります。
- にんじん:βカロテン(ビタミンA)が豊富で、粘膜の健康を保ちます。
- にんにく:アリシンという成分が免疫細胞を活性化させます。
- 納豆:発酵食品であり、腸内環境を整える効果があります。
- ヨーグルト:乳酸菌が腸内の善玉菌を増やし、免疫力を高めます。
- キウイフルーツ:ビタミンCが豊富で、抗酸化作用があります。
- みかん:ビタミンCや食物繊維が豊富で、風邪予防に効果的です。
- 鮭:ビタミンDやオメガ3脂肪酸が豊富で、免疫細胞の機能を高めます。
- 卵:良質なタンパク質やビタミンA、D、Eが含まれています。
- アーモンド:ビタミンEが豊富で、抗酸化作用があります。
免疫力アップをサポートする効果的な食べ方
免疫力を高めるためには、栄養素を効率よく摂取することが重要です。
以下に、効果的な食べ方のポイントを紹介します。
朝食にたんぱく質とビタミンを取り入れる
朝食は一日の活動のエネルギー源となるため、たんぱく質やビタミンをしっかり摂ることが大切です。卵や納豆、野菜を組み合わせた朝食は、免疫力を高めるのに効果的です。
栄養の吸収を高める食べ合わせ
鉄分の吸収を高めるためには、ビタミンCと一緒に摂取することが効果的です。例えば、ほうれん草と柑橘類を組み合わせると、鉄分の吸収が促進されます。
避けるべき食習慣
過剰な糖分や加工食品の摂取は、免疫力の低下を招く可能性があります。また、過度な飲酒や喫煙も免疫機能に悪影響を与えるため、控えるようにしましょう。
忙しい人でも続けやすいレシピ例
忙しい毎日の中でも、手軽に免疫力を高める食事を取り入れることは可能です。以下に、簡単に作れるレシピをいくつかご紹介します。
野菜たっぷりスープ
ブロッコリーやにんじん、玉ねぎなどの野菜を一口大に切り、コンソメスープで煮込むだけの簡単スープです。ビタミンや食物繊維が豊富で、体を温めながら免疫力をサポートします。
納豆と卵のごはん
納豆に生卵を加えて混ぜ、ごはんにかけるだけのシンプルな一品です。納豆の発酵食品としての効果と、卵の良質なたんぱく質が免疫力を高めます。
フルーツヨーグルト
ヨーグルトにキウイやみかんなどのフルーツを加えるだけで、ビタミンCや乳酸菌を手軽に摂取できます。朝食やデザートに最適です。
鶏肉とにんにくの炒め物
鶏肉とにんにくをオリーブオイルで炒め、塩こしょうで味付けするだけの簡単レシピです。鶏肉のたんぱく質とにんにくのアリシンが免疫力をサポートします。
豚肉とニラのスタミナ炒め
豚肉とニラを炒め、しょうゆとみりんで味付けするスタミナ料理です。ビタミンB1が豊富な豚肉と、アリシンを含むニラの組み合わせで、疲労回復にも効果的です。
食事以外の免疫力アップのポイント
免疫力を高めるためには、食事だけでなく、生活習慣全体を見直すことも重要です。以下に、食事以外で免疫力をサポートするポイントをいくつかご紹介します。
十分な睡眠をとる
睡眠不足は免疫力の低下を招きます。毎日7〜8時間の質の良い睡眠を心がけましょう。
適度な運動をする
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、血行を促進し、免疫細胞の働きを活性化させます。
ストレスを溜めない
過度なストレスは免疫力を低下させる原因となります。リラックスする時間を持ち、趣味やリフレッシュ方法を見つけましょう。
手洗いやうがいを徹底する
基本的な感染予防策として、手洗いやうがいを習慣化し、病原体の侵入を防ぎましょう。
まとめ
免疫力を高めるためには、日々の食事にビタミンやミネラル、たんぱく質をバランスよく取り入れることが大切です。
忙しい中でも、簡単に作れるレシピや手に入りやすい食材を活用することで、無理なく免疫力をサポートできます。
また、睡眠や運動、ストレス管理などの生活習慣も見直し、総合的に健康を維持しましょう。