くらしをよくする骨コラム

【医師監修】骨密度と筋トレの関係を徹底解説|何歳からでも始められる骨強化法

「最近、階段の上り下りがつらい」「健康診断で骨密度が下がっていた」と感じたことはありませんか?
年齢を重ねると、骨は自然に弱くなるものですが、実は適切な筋トレを取り入れることで、骨密度を維持・改善することが可能です。

この記事では、骨密度と筋トレの関係を科学的に解説しながら、初心者でも始めやすい骨強化法を紹介します。

 

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この記事の監修者:長田 夏哉(整形外科・リハビリテーション科・一般内科)

経歴:
日本医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入局し、慶應義塾大学病院や済生会神奈川県病院、川崎市立川崎病院などで経験を積む。平成17年に同病院の医長を務め、同年9月「田園調布 長田整形外科」を開設。現在は整形外科専門医・スポーツドクターとして地域医療とスポーツ分野に幅広く取り組んでいる。

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■所属学会・資格

 日本整形外科学会 専門医

 日本整形外科学会認定 スポーツ医

 日本スポーツ協会公認 スポーツドクター

 日本整形外科学会

 日本整形外科スポーツ学会

 日本臨床スポーツ医学会

 日本手の外科学会

 日本肘関節学会

 日本骨粗鬆症学会

■メディア露出実績

 主治医が見つかる診療所(テレビ東京)

■著書

 中指を回すとすべての痛みが消える

 体の不調は「脳疲労」が原因だった

 体に語りかけると病気は治るなど

 

骨密度とは?加齢による低下メカニズムを理解しよう

 

骨密度とは、骨に含まれるミネラル(カルシウムやリンなど)の量を示す指標で、骨の強さを左右します。
一般的には20代前半でピークを迎え、その後は徐々に低下していきます。
特に女性は閉経に伴うホルモンバランスの変化によって、骨密度が急激に下がる傾向にあります。

 

加齢による骨密度低下の主な原因には、以下のようなものがあります。

  • 骨をつくる細胞(骨芽細胞)の働きが低下する
  • 骨を壊す細胞(破骨細胞)の活動が活発になる
  • カルシウムの吸収力が加齢とともに落ちる

 

骨は常に「壊れる」と「作られる」を繰り返しており、これを「骨代謝」と呼びます。
年齢とともにこのバランスが崩れると、骨は弱くなり、骨粗しょう症などの疾患につながります。

 

筋トレで骨密度が上がる科学的理由

 

「筋トレで骨が強くなる」と聞くと意外に感じる人も多いでしょう。
しかし、骨は外からの衝撃や負荷に反応して強くなる性質を持っています。これは「ウルフの法則」と呼ばれ、医学的にも広く認められています。

筋トレによって筋肉が収縮すると、その力が骨に伝わり「機械的刺激」として骨形成が促されます。
特に下半身や体幹には大きな骨が多く、スクワットやランジといったトレーニングが骨密度向上に効果的とされています。

ここで、有酸素運動との違いを整理してみましょう。

 

要素 筋トレ 有酸素運動
主な刺激 骨・筋肉への直接的な不可 血流や代謝の改善
骨密度への影響 高い(骨に荷重がかかる) 中程度(衝撃が少ないため)
代表例 スクワット、腕立て伏せ ウォーキング、ジョギング

 

どちらも健康維持に役立ちますが、骨密度アップを狙うなら、筋トレがより直接的な効果を生みます。

 

骨密度を高めるおすすめ筋トレメニュー

 

骨を強くするために、必ずしもハードな運動を行う必要はありません。自分の体重を利用した「自重トレーニング」でも十分な刺激を得られます。

初心者におすすめの筋トレメニューは次の3つです。

  • スクワット(太もも・骨盤周りの強化)
    足を肩幅に開き、背筋を伸ばしたまま腰をゆっくり下ろします。太ももとお尻の筋肉が使われ、股関節や大腿骨への刺激が骨強化につながります。
  • カーフレイズ(ふくらはぎの筋肉を鍛える)
    つま先立ちからかかとを下ろす動作を繰り返します。骨量が減りやすい脛骨(けいこつ)への負荷が効果的です。
  • 腕立て伏せ(上半身や肩甲骨周辺の刺激)
    上半身の筋肉を使うことで、上腕骨や鎖骨などの骨質強化が期待できます。

 

週3回ほどのペースで、1回につき10〜15回×2セットを目安に行いましょう。軽い負荷でも継続することで骨形成が促進されます。

 

年齢別・性別で変わる骨密度維持のコツ

 

骨密度対策は、性別や年齢によってポイントが異なります。
女性の場合は、更年期にエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減るため、この時期に積極的に筋トレを行うことで骨密度の低下を遅らせることができます。

 

また、高齢者の場合は無理のない範囲で継続できるメニューが大切です。転倒リスクを減らすためにも、
以下のような低負荷トレーニングが推奨されます。

  • 壁を支えながらのスクワット
  • チェアを使ったカーフレイズ
  • 軽いダンベルやペットボトルを利用した腕の上下運動

 

一方、若い世代であっても油断は禁物です。骨形成のピークを迎える20代までに、運動習慣をしっかりつけておくことで、将来の骨密度低下を防げます。

 

トレと併せて意識したい栄養・生活習慣

 

筋トレを行うだけでは、骨は十分に強くなりません。骨の材料となる栄養をしっかり摂ることが不可欠です。

 

代表的な骨に必要な栄養素は次のとおりです。

  • カルシウム(牛乳、いわし、小松菜)
  • ビタミンD(鮭、卵、きのこ類)
  • マグネシウム(ナッツ類、大豆製品)

 

また、骨密度は「生活リズム」にも影響されます。十分な睡眠を取り、日光浴でビタミンDを合成することも大切です。
逆に、過度なダイエットやアルコール・喫煙は骨形成を阻害するため注意しましょう。

【医師監修】日光浴で簡単ビタミンD補給!効果的な時間帯と注意点まとめ

 

 

骨密度を保つために避けたいNG行動

 

せっかく筋トレをしていても、日常生活に悪習慣があると骨密度の低下を招いてしまいます。
以下のような行動は控えましょう。

  • 座りっぱなしの生活が多い
    長時間の不動状態は骨への刺激を減らし、骨代謝を低下させます。1時間に1度は立ち上がって体を動かしましょう。
  • 無理な筋トレや急な負荷アップ
    急激に重い負荷をかけると、骨や関節を痛めるリスクがあります。徐々に強度を上げるのが鉄則です。
  • 偏った食生活
    糖質中心・加工食品過多の食事は、骨の材料が不足しやすくなります。栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

 

まとめ

骨密度は年齢とともに低下しますが、筋トレをうまく取り入れることで改善することができます。
骨は刺激を受けることで強くなるため、日常生活の中でも「骨に荷重をかける」ことを意識しましょう。

 

筋トレと併せて、カルシウムやビタミンDの摂取、適度な日光浴、睡眠などの生活習慣を整えることで、骨と筋肉の健康は長く保つことができます。
何歳からでも遅くありません。今日から無理のないペースで、骨を育てる筋トレを習慣にしていきましょう。

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