カルシウムといえば牛乳やチーズ、小魚を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、普段のおやつとして親しまれているナッツにも、カルシウムをはじめとするさまざまなミネラルが含まれています。
「ナッツでカルシウム補給はできるの?」「アーモンド以外にもカルシウムが多いナッツはある?」と気になっている方も少なくありません。
この記事では、文部科学省の「日本食品標準成分表」や厚生労働省の公的資料をもとに、カルシウムが多いナッツをランキング形式で紹介するとともに、効率よく摂取する方法や適切な食べ方について詳しく解説します。健康的な食生活を送りたい方や、骨の健康が気になる方はぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
✓ カルシウムを多く含むナッツの種類や含有量ランキング
✓ ナッツでカルシウムを効率よく摂取する食べ方や、おすすめの組み合わせ
✓ ナッツを食べる際の適量や注意点、健康的に取り入れるコツ

経歴:
横浜市立大学医学部卒業後、整形外科医として急性期医療に従事し、在宅医療や慢性期医療にも関わる。脊髄外科を専門としながら、超高齢社会において深刻化する骨粗鬆症の問題に着目。
現在は医師の立場から骨粗鬆症の啓発活動にも力を注ぎ、「骨折を減らし、整形外科医を不要にする」ことを目標に活動している。
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■所属学会・資格
・日本整形外科学会認定専門医
・骨粗鬆症学会
・脊椎脊髄病学会
■メディア露出実績
・女性向けヘルスケアメディア「TRULY」にて、骨粗鬆症予防に関する記事監修
ナッツはカルシウム補給に役立つ?栄養価とメリットを解説

ナッツは健康食品として人気がありますが、「カルシウム源」として注目される機会はそれほど多くありません。
しかし、種類によっては比較的多くのカルシウムを含んでおり、不足しがちなミネラルを補う食品の一つとして活用できます。
まずは、カルシウムの働きや日本人の摂取状況、ナッツが持つ栄養価について見ていきましょう。
カルシウムは骨や歯だけでなく体全体に欠かせない栄養素
カルシウムは体内でもっとも多く存在するミネラルです。その約99%は骨や歯に存在し、丈夫な骨格を維持するために利用されています。
一方で、残りの約1%は血液や筋肉、神経などに存在し、生命活動を維持する重要な役割を担っています。
カルシウムの主な働きは次のとおりです。
- 骨や歯を形成し、健康を維持する
- 筋肉の収縮や運動機能をサポートする
- 神経の情報伝達を正常に保つ
- 血液凝固(出血時に血を固める働き)を助ける
カルシウムが不足すると、体は血液中のカルシウム濃度を一定に保つため、骨に蓄えられたカルシウムを取り出して利用します。その状態が長く続くと骨密度(骨の強さを示す指標)の低下につながり、将来的には骨粗しょう症のリスクが高まる可能性があります。
そのため、毎日の食事から継続的にカルシウムを摂取することが大切です。
日本人はカルシウム不足になりやすい傾向がある
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人のカルシウム推奨量は年齢や性別によって異なるものの、おおむね650~800mg程度とされています。
一方で、「国民健康・栄養調査」では、多くの年代でカルシウム摂取量が推奨量に届いていないことが報告されています。
特に次のような方は不足しやすい傾向があります。
- 牛乳や乳製品をあまり食べない人
- 外食や加工食品が中心の食生活を送っている人
- ダイエット中で食事量を減らしている人
- 高齢者や閉経後の女性
このような背景から、普段の食事にカルシウムを含む食品を少しずつ取り入れることが重要です。ナッツはその選択肢の一つとして役立ちます。
ナッツにはカルシウム以外の栄養素も豊富に含まれている
ナッツの魅力はカルシウムだけではありません。種類によって含有量は異なりますが、健康維持に役立つ栄養素をバランスよく含んでいます。
代表的な栄養素をまとめると、次のようになります。
| 栄養素 | 主な働き |
|---|---|
| カルシウム | 骨や歯の形成、筋肉や神経の働きをサポート |
| マグネシウム | カルシウムの働きを助け、骨の形成に関与 |
| ビタミンE | 抗酸化作用(体内の細胞を酸化から守る働き)が期待される |
| 食物繊維 | 腸内環境を整え、便通改善をサポート |
| 不飽和脂肪酸 | 健康維持に役立つ良質な脂質 |
特にマグネシウムはカルシウムと密接に関係する栄養素です。マグネシウムが不足するとカルシウムを十分に活用できない場合があるため、両方を一緒に摂取することが望ましいとされています。
ナッツにはカルシウムとマグネシウムが同時に含まれているため、効率よくミネラルを補える点が大きな魅力です。
ナッツはカルシウム補給の「サポート食品」と考えよう
栄養価が高いナッツですが、「ナッツだけでカルシウム不足を解消できる」というわけではありません。
例えば、カルシウムを比較的多く含むアーモンドでも、1日に食べる目安量である約20~25gでは摂取できるカルシウム量は限られます。
そのため、カルシウムを十分に摂取するには、次のような食品と組み合わせることが大切です。
- 牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品
- 木綿豆腐や厚揚げなどの大豆製品
- ししゃもやいわしなどの小魚
- 小松菜や水菜などの青菜類
ナッツは不足しがちなカルシウムを補いながら、ビタミンEやマグネシウムなども一緒に摂取できる「栄養価の高い間食」と考えるとよいでしょう。
毎日のおやつをスナック菓子からナッツに置き換えるだけでも、栄養バランスの改善につながります。
カルシウムが多いナッツランキング

前章では、ナッツがカルシウム補給をサポートする食品であることを紹介しました。しかし、一口にナッツといっても、種類によってカルシウムの含有量には大きな差があります。
ここでは、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに、カルシウムを多く含む代表的なナッツを比較します。また、実際に食べる量をイメージしやすいよう、1食分(約25g)あたりのカルシウム量もあわせて紹介します。
カルシウム含有量ランキング
100gあたりのカルシウム含有量を比較すると、以下のようになります。
| 順位 | ナッツの種類 | カルシウム(100gあたり) | 1食(25g)あたりの目安 |
|---|---|---|---|
| 1位 | アーモンド(乾) | 約260mg | 約65mg |
| 2位 | ピスタチオ(炒り) | 約120mg | 約30mg |
| 3位 | ヘーゼルナッツ(フライ) | 約100mg | 約25mg |
| 4位 | くるみ(炒り) | 約43mg | 約11mg |
| 5位 | カシューナッツ(フライ) | 約38mg | 約10mg |
※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を参考に作成。
この表を見ると、アーモンドは2位以下を大きく上回るカルシウム量を含んでいることが分かります。毎日少量を継続して食べることで、カルシウム摂取量の底上げにつながるでしょう。
ただし、カルシウム量だけでナッツを選ぶのではなく、それぞれが持つ栄養価や食べやすさも考慮することが大切です。
アーモンドはカルシウム量がトップクラス
アーモンドは、ナッツ類の中でもカルシウムを豊富に含むことで知られています。
さらに、次のような栄養素もバランスよく含まれています。
- ビタミンE
- マグネシウム
- 食物繊維
- たんぱく質
特にビタミンEは、抗酸化作用が期待される栄養素です。カルシウムだけでなく、美容や健康維持を意識している方からも人気があります。
また、食物繊維も多く含まれているため、間食として取り入れれば満足感を得やすい点も魅力です。
ピスタチオは栄養バランスに優れている
ピスタチオはアーモンドほどカルシウム量は多くありませんが、ミネラルを幅広く含んでいます。
主な特徴は次のとおりです。
- カリウムが豊富
- ビタミンB6を多く含む
- 食物繊維も摂取できる
カリウムは体内の余分なナトリウム(食塩)を排出する働きがあり、健康的な食生活をサポートする栄養素です。
カルシウムだけではなく、さまざまな栄養素をバランスよく摂りたい方に向いています。
ヘーゼルナッツ・カシューナッツ・くるみの特徴
ランキング上位以外のナッツにも、それぞれ異なる魅力があります。
ヘーゼルナッツ
ヘーゼルナッツはビタミンEが豊富で、カルシウムも比較的多く含まれています。香ばしい風味が特徴で、そのまま食べるだけでなく、お菓子にもよく利用されています。
カシューナッツ
カシューナッツはカルシウム量は控えめですが、鉄や亜鉛などのミネラルが豊富です。
鉄は赤血球を作るために欠かせない栄養素であり、亜鉛は味覚や免疫機能に関わる重要なミネラルです。
くるみ
くるみはカルシウム量では上位ではありませんが、オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)を豊富に含むことが大きな特徴です。
オメガ3脂肪酸は体内で合成しにくい必須脂肪酸(食事から摂取する必要がある脂肪酸)の一つであり、健康維持に役立つ栄養素として注目されています。
そのため、「カルシウムを摂るならアーモンド」「良質な脂質を摂るならくるみ」というように、目的に応じて食べ分けるのもおすすめです。
ナッツを選ぶときのポイント
カルシウム量だけでなく、毎日続けやすいナッツを選ぶことも重要です。
選ぶ際は、次のポイントを意識しましょう。
- 無塩・素焼きの商品を選ぶ
- 食べ飽きないよう数種類を組み合わせる
- 小分けタイプを選び食べ過ぎを防ぐ
- 原材料がシンプルなものを選ぶ
特に味付きの商品は塩分や砂糖が多く含まれていることがあります。健康維持を目的とする場合は、できるだけ加工の少ない商品を選ぶとよいでしょう。
カルシウムを効率よく摂るナッツの食べ方

カルシウムは摂取量だけでなく、「どのように食べるか」も重要です。
実は、カルシウムは体内への吸収率がそれほど高い栄養素ではありません。そのため、一緒に食べる食品や栄養素を工夫することで、より効率的な栄養補給につながります。
ビタミンDを含む食品と組み合わせる
カルシウムの吸収を助ける代表的な栄養素がビタミンDです。
ビタミンDは小腸でカルシウムの吸収を促進する働きがあります。
相性のよい食品には次のようなものがあります。
- 鮭
- さば
- さんま
- いわし
- きのこ類(干ししいたけなど)
例えば、「アーモンド+ヨーグルト」「アーモンド+鮭の朝食」といった組み合わせは、カルシウムとビタミンDを同時に摂取できるおすすめの食べ方です。
マグネシウムも一緒に摂ることが大切
マグネシウムはカルシウムとともに骨の形成を支える重要なミネラルです。
ナッツにはマグネシウムが多く含まれているため、カルシウムとのバランスが取りやすいというメリットがあります。
さらに次の食品を組み合わせることで、より多くのマグネシウムを摂取できます。
- 大豆製品
- 海藻類
- 玄米
- ほうれん草
カルシウムだけを意識するのではなく、複数のミネラルをバランスよく摂ることが健康維持につながります。
ナッツだけで必要量を満たすのは難しい
アーモンドはカルシウムを豊富に含みますが、1食分(約25g)で摂取できるカルシウムは約65mg程度です。
成人が1日に必要とするカルシウム量を考えると、ナッツだけで補うのは現実的ではありません。
そのため、普段の食事では次のような食品を組み合わせることをおすすめします。
- 牛乳・ヨーグルト
- チーズ
- 木綿豆腐
- 小魚
- 小松菜や水菜などの青菜類
ナッツはあくまでも「カルシウム補給をサポートする食品」と位置付け、バランスのよい食生活を意識することが大切です。
ナッツを食べる際の注意点と適量

ナッツはカルシウムをはじめ、マグネシウムやビタミンEなどの栄養素を含む健康的な食品ですが、「体によいから」といって食べ過ぎてしまうのはおすすめできません。
脂質やエネルギー(カロリー)も比較的多く含まれているため、適量を守りながら継続して食べることが大切です。
ここでは、ナッツを取り入れる際に知っておきたいポイントを解説します。
1日の目安量は20~25g程度
ナッツには良質な脂質が含まれていますが、エネルギー量も高めです。
例えば、アーモンド100gあたりのエネルギーは約600kcalを超えるため、一度にたくさん食べるとエネルギーの摂り過ぎにつながる可能性があります。
健康維持を目的とする場合は、1日20~25g程度を目安にするとよいでしょう。
ナッツの種類ごとの目安量は以下のとおりです。
| ナッツの種類 | 約20~25gの目安 |
|---|---|
| アーモンド | 約20~25粒 |
| ピスタチオ | 約40~45粒(殻を除く) |
| カシューナッツ | 約15粒 |
| くるみ | 約6~8粒 |
| ヘーゼルナッツ | 約15~20粒 |
※粒の大きさによって多少前後します。
毎日食べる場合は、キッチンスケールで量を測ったり、小分けタイプの商品を利用したりすると、食べ過ぎを防ぎやすくなります。
無塩・素焼きタイプを選ぶのがおすすめ
スーパーやコンビニでは、さまざまな種類のナッツが販売されています。
健康を意識する場合は、できるだけ無塩・素焼きタイプを選ぶことをおすすめします。
選ぶ際のポイントは次のとおりです。
- 食塩不使用の商品を選ぶ
- 油で揚げていない素焼きタイプを選ぶ
- 砂糖やはちみつで味付けされた商品は食べ過ぎに注意する
- 原材料が「アーモンド」のようにシンプルな商品を選ぶ
味付きのナッツは食べやすい反面、塩分や糖分を多く摂取してしまうことがあります。
毎日の習慣として取り入れるなら、素材本来の風味を楽しめる商品が適しています。
カルシウムを効率よく摂るおすすめの組み合わせ
ナッツは単体でも栄養価が高い食品ですが、ほかの食品と組み合わせることで、より効率的にカルシウムを摂取できます。
おすすめの組み合わせをまとめました。
| 組み合わせ | 期待できるメリット |
|---|---|
| アーモンド+ヨーグルト | カルシウムを効率よく補給しやすい |
| アーモンド+チーズ | カルシウムとたんぱく質を同時に摂取できる |
| ナッツ+小魚 | カルシウムをさらに補いやすい |
| ナッツ+鮭 | ビタミンDも一緒に摂れる |
| ナッツ+豆乳 | 植物性たんぱく質も補給できる |
特に「小魚アーモンド」は、カルシウムを多く含む小魚とアーモンドを組み合わせた食品として人気があります。
また、朝食にヨーグルトとナッツを加えたり、サラダのトッピングとして活用したりすると、無理なく毎日の食事に取り入れられるでしょう。
まとめ
ナッツは、カルシウムだけでなくマグネシウムやビタミンE、食物繊維なども含む栄養価の高い食品です。なかでもアーモンドは、代表的なナッツの中でカルシウムを比較的多く含んでおり、毎日の間食として取り入れやすい食材といえます。
カルシウムは、一度に大量に摂るよりも、毎日の食事で継続して補給することが重要です。
ナッツを上手に取り入れながら、乳製品や大豆製品、小魚なども組み合わせ、栄養バランスのよい食生活を心がけましょう。毎日の小さな積み重ねが、将来の骨や体の健康づくりにつながります。

監修者:金井 研三 先生からのコメント
ナッツはカルシウムだけでなく、骨の形成を助けるマグネシウムも一緒に摂れるのが大きな強みです。
塩分や油分を避けるために無塩・素焼きを選び、ヨーグルト等と組み合わせて、毎日のおやつで上手に骨活を始めましょう。

