カルシウムは、骨や歯の健康を維持するために欠かせない栄養素です。しかし、日本人はカルシウムが不足しやすいとされており、毎日の食事で意識して摂取することが大切です。
カルシウムを多く含む食品といえば牛乳や乳製品を思い浮かべる方も多いでしょう。一方で、「牛乳が苦手」「乳製品以外でカルシウムを摂りたい」と考える方も少なくありません。そのような方におすすめなのが、煮干しです。
この記事では、煮干しに含まれるカルシウム量や栄養価、健康へのメリットについてわかりやすく解説します。
この記事でわかること
✓ 煮干しに含まれるカルシウム量や、牛乳・しらすなど他の食品との違い
✓ 煮干しに含まれるカルシウム以外の栄養素や、健康へのメリット
✓ カルシウムを効率よく摂るための食べ方や適量、食べる際の注意点

経歴:
横浜市立大学医学部卒業後、整形外科医として急性期医療に従事し、在宅医療や慢性期医療にも関わる。脊髄外科を専門としながら、超高齢社会において深刻化する骨粗鬆症の問題に着目。
現在は医師の立場から骨粗鬆症の啓発活動にも力を注ぎ、「骨折を減らし、整形外科医を不要にする」ことを目標に活動している。
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■所属学会・資格
・日本整形外科学会認定専門医
・骨粗鬆症学会
・脊椎脊髄病学会
■メディア露出実績
・女性向けヘルスケアメディア「TRULY」にて、骨粗鬆症予防に関する記事監修
煮干しはカルシウム補給におすすめ!含有量はどれくらい?

カルシウム不足を補う食品として、煮干しは非常に優れた食材です。小魚を骨ごと食べられるため、少量でも多くのカルシウムを摂取できます。
煮干し100gあたりには約2,200mgのカルシウムが含まれています。一方、牛乳100gあたりのカルシウム量は約110mgです。
もちろん、一度に100gの煮干しを食べることは現実的ではありません。しかし、10g程度でも約220mgのカルシウムを摂取できるため、おやつや副菜として取り入れるだけでも効率的なカルシウム補給につながります。
煮干しとほかの食品のカルシウム量を比較
次の表は、代表的なカルシウムを含む食品を比較したものです。
| 食品(100gあたり) | カルシウム量(mg) |
|---|---|
| 煮干し | 約2,200 |
| しらす干し(半乾燥) | 約520 |
| プロセスチーズ | 約630 |
| プレーンヨーグルト | 約120 |
| 普通牛乳 | 約110 |
※出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
このように比較すると、煮干しは非常に多くのカルシウムを含んでいることがわかります。
ただし、食品によって一度に食べる量は異なります。そのため、「100gあたりの数値だけ」で判断するのではなく、普段の食事で無理なく取り入れられるかどうかも大切なポイントです。
煮干しがカルシウム補給に向いている理由
煮干しがカルシウム補給におすすめされる理由には、次のようなものがあります。
- 骨ごと食べられるためカルシウムを効率よく摂取できる
- 少量でも多くのカルシウムを補える
- 保存しやすく、常備食として活用しやすい
特に、おやつ代わりに数匹食べたり、味噌汁やサラダのトッピングとして加えたりするだけでも、毎日のカルシウム摂取量を増やしやすくなります。
また、カルシウムは体内で作ることができない栄養素です。そのため、毎日の食事から継続して摂取することが重要とされています。煮干しは調理の手間が少なく、手軽に食べられる点も魅力といえるでしょう。
煮干しにはカルシウム以外の栄養も豊富!健康へのメリット

煮干しの魅力は、カルシウムだけではありません。体づくりに欠かせないさまざまな栄養素をバランスよく含んでおり、健康維持にも役立つ食品です。
骨や歯の健康を支えるカルシウム
カルシウムは、骨や歯の主要な構成成分です。
日本人はカルシウムの摂取量が推奨量に届いていない年代が多く、意識して摂取することが望ましいとされています。
カルシウムには次のような働きがあります。
- 骨や歯を丈夫に保つ
- 筋肉の収縮を助ける
- 神経の情報伝達を正常に保つ
不足すると骨量の減少につながる可能性があるため、子どもの成長期だけでなく、大人や高齢者にとっても重要な栄養素です。
カルシウムの吸収を助けるビタミンD
煮干しにはビタミンDも含まれています。
ビタミンDとは、カルシウムの吸収を助ける脂溶性ビタミン(油に溶けやすい性質を持つビタミン)のことです。
カルシウムを十分に摂取していても、ビタミンDが不足すると吸収効率が低下することがあります。そのため、カルシウムとビタミンDを一緒に摂取できる煮干しは、効率的な栄養補給につながります。
良質なたんぱく質やリンも含まれている
煮干しには、たんぱく質やリン(骨や歯の形成に必要なミネラル)も豊富に含まれています。
これらの栄養素には、次のような働きがあります。
- たんぱく質:筋肉や皮膚、臓器など体をつくる材料になる
- リン:カルシウムとともに骨や歯を構成する
- 鉄:赤血球の材料となり、全身へ酸素を運ぶ役割を担う
このように、煮干しは1つの食品で複数の栄養素を摂取できることが大きな特徴です。
毎日の食事に少量ずつ取り入れることで、カルシウムだけでなく、健康維持に役立つ栄養素も効率よく補給できます。
煮干しでカルシウムを効率よく摂る食べ方と1日の目安量

煮干しはカルシウムを豊富に含む食品ですが、食べ方を工夫することで、さらに効率よく栄養を摂取できます。また、健康に良いからといって食べ過ぎるのではなく、適量を継続して食べることも大切です。
カルシウムの吸収率を高めるポイント
カルシウムは摂取したすべてが体内に吸収されるわけではありません。吸収率を高めるためには、一緒に摂る栄養素や生活習慣も重要です。
特に意識したいポイントは次のとおりです。
- ビタミンDを含む食品と組み合わせる
- 適度に日光を浴びて体内でビタミンDを生成する
- バランスの良い食事を心掛ける
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。煮干し自体にもビタミンDが含まれていますが、鮭やサバ、きのこ類などと組み合わせることで、より効率的な栄養補給につながります。
また、ビタミンDは日光を浴びることで皮膚でも作られるため、適度な運動や散歩を取り入れることも健康維持に役立ちます。
煮干しを毎日の食事に取り入れる方法
煮干しは「だしを取るための食材」というイメージがありますが、そのまま食べてもおいしく、さまざまな料理に活用できます。
おすすめの食べ方を紹介します。
- おやつとしてそのまま食べる
- サラダや和え物のトッピングにする
- 味噌汁やスープの具として食べる
- 砕いてふりかけにする
- 炊き込みご飯や炒め物に加える
特にだしを取った後の煮干しは、そのまま捨ててしまうのはもったいない食材です。細かく刻んで佃煮や炒め物に活用すれば、カルシウムを無駄なく摂取できます。
子どものおやつとして取り入れる場合は、小さめの煮干しを選ぶと食べやすく、よく噛む習慣づくりにも役立ちます。
1日にどれくらい食べるのがおすすめ?
煮干しに明確な「1日の摂取目安量」は定められていません。しかし、間食や副菜として10~20g程度を目安に取り入れると、無理なくカルシウムを補給しやすくなります。
例えば、煮干しを10g食べると、およそ220mgのカルシウムを摂取できます。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人のカルシウム推奨量はおおむね650~800mg/日とされています。
煮干しだけで必要量を満たそうとするのではなく、牛乳やヨーグルト、大豆製品、青菜などさまざまな食品と組み合わせることが、栄養バランスの良い食生活につながります。
煮干しを食べる際の注意点|塩分・プリン体は大丈夫?

煮干しは栄養価の高い食品ですが、健康的に取り入れるためには注意したい点もあります。
食べ過ぎを避け、適量を継続することが大切です。
塩分の摂り過ぎに注意する
煮干しには塩分が含まれています。
少量であれば大きな問題になることは少ないですが、毎日大量に食べると塩分の摂り過ぎにつながる可能性があります。
厚生労働省では、生活習慣病予防の観点から、食塩摂取量の目標値を次のように示しています。
| 対象 | 食塩相当量の目標値(1日) |
|---|---|
| 成人男性 | 7.5g未満 |
| 成人女性 | 6.5g未満 |
※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
煮干しだけで目標値を超えることは少ないものの、味噌汁や漬物、加工食品などと合わせると塩分が多くなることもあります。
日頃から全体の食事バランスを意識しましょう。
プリン体が気になる人は適量を心掛ける
煮干しにはプリン体も含まれています。プリン体の含有量は100gあたり約746mgと比較的多く、体内で尿酸へと代謝される成分です。
痛風や高尿酸血症のある方は、摂取量に十分注意しましょう。また、煮干しには塩分も含まれているため、高血圧のある方も食べ過ぎには注意が必要です。
気になる場合は、一度に大量に食べるのではなく、少量を継続して食べるようにし、医師や管理栄養士へ相談しながら取り入れることをおすすめします。
バランスの良い食生活を意識することが大切
煮干しは優れた栄養食品ですが、「煮干しだけ食べれば十分」というわけではありません。
健康な体づくりには、さまざまな食品を組み合わせることが重要です。
毎日の食事では次のような食品も意識するとよいでしょう。
- 牛乳やヨーグルトなどの乳製品
- 豆腐や納豆などの大豆製品
- 小松菜や水菜などの青菜
- 魚や肉、卵などのたんぱく質源
カルシウムだけでなく、ビタミンやミネラル、食物繊維などもバランスよく摂取することが、健康維持につながります。
まとめ
煮干しは、カルシウムを効率よく摂取できる食品として、毎日の食生活に取り入れやすい食材です。骨ごと食べられるためカルシウム含有量が多く、さらにビタミンDやたんぱく質、リンなども同時に摂取できることから、成長期の子どもから高齢者まで幅広い年代におすすめできます。
カルシウムは体内で作ることができないため、毎日の食事から継続して摂取する必要があります。煮干しは保存性が高く、手軽に食べられるため、忙しい方でも取り入れやすい食品です。
ぜひ日々の食事に煮干しを上手に取り入れ、健康的なカルシウム補給を続けてみてはいかがでしょうか。

監修者:金井 研三 先生からのコメント
煮干しは骨ごと食べられるため、少量で極めて効率よくカルシウムを補給できる優秀な食材です。ただ塩分やプリン体も多いため、1日10g程度を目安にし、青菜や大豆製品など様々な食品と組み合わせて美味しく続けましょう。

