くらしをよくする骨コラム

【医師監修】カルシウムの効果とは?骨だけじゃない健康メリットと効率的な摂取方法を解説

私たちの身体に欠かせない栄養素のひとつが「カルシウム」です。

カルシウムと聞くと「骨や歯を丈夫にする栄養素」というイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、カルシウムにはそれ以外にも筋肉や神経、血液などの働きを支える重要な役割があります。

 

実際に、日本人は慢性的にカルシウム不足の傾向にあるといわれています。厚生労働省が公表している調査でも、多くの年代で推奨量に達していないことが報告されています。そのため、健康的な身体づくりのためには、カルシウムの働きや効果を正しく理解し、日々の食事から意識して摂取することが大切です。

 

この記事では、カルシウムの効果や不足によるリスク、必要な摂取量、効率よく摂る方法まで詳しく解説します。

 

この記事でわかること

✓ カルシウムにはどのような効果があるのか

✓ カルシウムが不足するとどのような症状やリスクがあるのか

✓ カルシウムを効率よく摂取する方法やおすすめの食品は何か

 

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この記事の監修者:金井 研三 先生(整形外科)

経歴:
横浜市立大学医学部卒業後、整形外科医として急性期医療に従事し、在宅医療や慢性期医療にも関わる。脊髄外科を専門としながら、超高齢社会において深刻化する骨粗鬆症の問題に着目。
現在は医師の立場から骨粗鬆症の啓発活動にも力を注ぎ、「骨折を減らし、整形外科医を不要にする」ことを目標に活動している。

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■所属学会・資格

・日本整形外科学会認定専門医
・骨粗鬆症学会
・脊椎脊髄病学会

■メディア露出実績

・女性向けヘルスケアメディア「TRULY」にて、骨粗鬆症予防に関する記事監修

カルシウムとは?体内で果たす重要な役割

カルシウムとは?体内で果たす重要な役割

 

カルシウムは、私たちの身体に最も多く存在するミネラルです。成人の場合、体内には約1kg前後のカルシウムが存在するとされており、そのほとんどが骨や歯に蓄えられています。

しかし、カルシウムの働きは骨の形成だけではありません。血液や筋肉、神経などにも存在し、生命活動を維持するために欠かせない役割を担っています。

もし血液中のカルシウム濃度が低下すると、身体は骨に蓄えられているカルシウムを溶かして補おうとします。その状態が長期間続くと骨が弱くなり、骨粗鬆症のリスクが高まる可能性があります。

 

カルシウムは骨だけでなく、筋肉・神経・血液・心臓など全身の健康を支える重要なミネラルです。

  • 骨や歯を形成する
  • 筋肉の収縮をサポートする
  • 神経伝達を正常に保つ
  • 血液凝固を助ける
  • 心臓の正常な働きを維持する

 

カルシウムの主な働き

働き 内容 重要性
骨・歯 形成・維持 丈夫な骨格を保つ
筋肉・神経 収縮・情報伝達 正常な身体機能を維持
血液・心臓 凝固・拍動 生命維持に不可欠

 

カルシウムに期待できる5つの効果

カルシウムに期待できる5つの効果

 

カルシウムは骨の健康だけでなく、身体のさまざまな機能を支える重要な栄養素です。

 

骨や歯を丈夫に保つ

カルシウムの最も代表的な働きが、骨や歯の形成と維持です。

骨は「骨代謝」と呼ばれる新陳代謝を繰り返しており、古い骨を壊し、新しい骨を作ることで強度を維持しています。その材料となるのがカルシウムです。

成長期の子どもはもちろん、中高年以降も十分なカルシウム摂取が欠かせません。特に女性は閉経後に骨密度が低下しやすいため、意識的な摂取が重要です。

 

筋肉の正常な収縮をサポートする

カルシウムは筋肉を動かす際にも必要不可欠な栄養素です。

歩く、走る、物を持つなどの動作では、筋肉が収縮と弛緩を繰り返しています。この働きにカルシウムが深く関わっています。

不足すると筋肉の働きが乱れ、足がつる、筋肉がけいれんするといった症状が現れることがあります。

 

神経伝達を正常に保つ

カルシウムは神経細胞同士の情報伝達にも関与しています。

神経伝達が正常に行われることで、手足を動かす、痛みや温度を感じる、反射的に身体を動かすといった働きが可能になります。

カルシウム不足が進行すると、神経が過敏になり、しびれやけいれんなどの症状につながることがあります。

 

血液凝固をサポートする

カルシウムは血液凝固に必要な因子のひとつとして働いています。

ケガをした際に血液を固めて止血を促進するため、生命維持に欠かせない重要な役割を担っています。

 

心臓機能の維持に関与する

カルシウムは心筋の収縮にも関係しています。

心臓が正常なリズムで拍動し、全身へ血液を送り出すためにもカルシウムは欠かせません。

 

カルシウム不足で起こる症状・健康リスク

カルシウム不足で起こる症状・健康リスク

 

カルシウム不足はすぐに症状が出にくい一方で、長期間続くと健康へ大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

骨粗鬆症のリスクが高まる

骨粗鬆症とは、骨密度が低下して骨がもろくなる病気です。

加齢や閉経による女性ホルモンの減少に加え、カルシウム不足もリスク因子のひとつです。

血液中のカルシウム濃度が低下すると、身体は骨に蓄えられたカルシウムを利用して補おうとするため、継続的な摂取が重要です。

 

骨折しやすくなる

骨密度が低下すると、わずかな衝撃でも骨折しやすくなります。

高齢者では転倒による骨折が寝たきりにつながることもあるため、若いうちから骨の健康を意識することが大切です。

 

筋肉のけいれんやしびれが起こることがある

カルシウム不足によって神経や筋肉の働きが乱れると、足がつる、手足がしびれるなどの症状が現れることがあります。

特に発汗量が多い夏場や運動後はミネラル不足になりやすいため注意しましょう。

 

成長期の発育に影響する可能性がある

子どもの成長期は骨量を蓄積する重要な時期です。

この時期にカルシウムが不足すると、将来的な骨密度にも影響を与える可能性があります。

【医師監修】骨粗鬆症の症状とは?症状を感じたときに取るべき行動

 

日本人はカルシウム不足?年代別の摂取状況

日本人はカルシウム不足?年代別の摂取状況

 

カルシウムは重要な栄養素であるにもかかわらず、日本人は慢性的に不足しやすい栄養素として知られています。

特に若年女性や高齢者では、推奨量を下回るケースが多く、毎日の食事で意識的に補うことが重要です。

 

日本人の平均摂取量

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」では、多くの年代でカルシウム摂取量が推奨量を下回る傾向が続いています。

不足していても自覚症状が少ないため、気付かないまま不足状態が続くことも少なくありません。

 

推奨量とのギャップ

成人女性の推奨量は650mg程度ですが、実際の摂取量はこれを下回るケースがあります。

不足分を補うためには、カルシウムを多く含む食品を日々の食事へ取り入れることが大切です。

 

不足しやすい年代

カルシウム不足が目立ちやすい年代・人は以下のとおりです。

  • 20〜40代女性
  • ダイエット中の方
  • 高齢者
  • 成長期の子ども

女性は月経や妊娠、授乳などでカルシウム需要が増えるため、より意識的な摂取が求められます。

 

1日に必要なカルシウム摂取量の目安

 

カルシウムは不足だけでなく、適切な量を継続的に摂取することが重要です。

ここでは成人の推奨量の目安を確認してみましょう。

年齢や性別によって必要なカルシウム量は異なるため、自分に合った目安を知ることが大切です。

年齢 男性 女性
18~29歳 800mg 650mg
30~49歳 750mg 650mg
50~64歳 750mg 650mg
65~74歳 750mg 650mg
75歳以上 700mg 600mg

※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

 

成人男性の推奨量

成人男性は1日700〜800mg程度のカルシウム摂取が推奨されています。

特に運動習慣がある方や高齢者は、骨や筋肉の健康維持のために十分な摂取を心掛けましょう。

 

成人女性の推奨量

成人女性は1日650mg程度が目安です。

実際には推奨量を満たしていない人が多いため、乳製品や大豆製品などを積極的に取り入れることが大切です。

 

子ども・高齢者の目安

成長期の子どもは骨形成が活発なため、より多くのカルシウムを必要とします。

また、高齢者は吸収率が低下するため、不足しないよう継続的な摂取が求められます。

 

摂りすぎによるリスク

カルシウムは重要な栄養素ですが、過剰摂取にも注意が必要です。

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人のカルシウムの耐容上限量は1日2,500mgとされています。

特にサプリメントを利用している場合は過剰摂取になりやすく、高カルシウム血症や腎結石などのリスクが高まる可能性があります。

通常の食事のみで上限量を超えることは少ないとされていますが、サプリメントを併用する際は摂取量に注意し、基本的には食事から摂取することを優先しましょう。

【医師監修】カルシウムは一日どれくらい必要?年齢別の目安摂取量を徹底解説

 

カルシウムを多く含む食品ランキング

カルシウムを多く含む食品ランキング

 

カルシウムはさまざまな食品に含まれています。

毎日の食事で無理なく取り入れるためにも、カルシウムが豊富な食品を知っておきましょう。

乳製品だけでなく、小魚や大豆製品、野菜などを組み合わせることで効率よくカルシウムを補えます。

 

食品 カルシウム量(100gあたり) 特徴
煮干し 約2,200mg 骨ごと食べられる
桜えび(素干し) 約2,000mg 非常に高含有
パルメザンチーズ 約1,300mg 乳製品で豊富
しらす干し 約520mg 食卓に取り入れやすい
小松菜 約170mg 野菜から摂取できる
牛乳 約110mg 吸収率が高い
木綿豆腐 約93mg 植物性食品

 

乳製品

乳製品はカルシウムの吸収率が高いことが特徴です。

  • 牛乳
  • ヨーグルト
  • チーズ

毎日の食事に取り入れやすく、カルシウム補給の基本となります。

 

魚介類

骨ごと食べられる魚はカルシウム補給に適しています。

  • しらす
  • 煮干し
  • ししゃも

特に煮干しや桜えびは非常に多くのカルシウムを含んでいます。

 

大豆製品

大豆製品も優秀なカルシウム源です。

  • 木綿豆腐
  • 厚揚げ
  • 納豆

植物性食品からカルシウムを摂取したい方におすすめです。

 

野菜類

野菜にもカルシウムは含まれています。

  • 小松菜
  • 水菜
  • チンゲンサイ

乳製品が苦手な方は積極的に活用するとよいでしょう。

 

カルシウムの吸収率を高める方法

カルシウムの吸収率を高める方法

 

カルシウムは摂取量だけでなく、吸収率も重要です。

せっかく摂取しても吸収されなければ十分な効果は期待できません。

ビタミンDやタンパク質を組み合わせ、生活習慣も整えることでカルシウムを効率よく活用できます。

 

ビタミンDと一緒に摂る

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きを持っています。

相性の良い食品には次のようなものがあります。

  • サバ
  • いわし
  • きのこ類

カルシウムとビタミンDを組み合わせることで、より効率的な摂取が期待できます。

 

適度な日光浴を行う

ビタミンDは日光を浴びることで体内でも生成されます。

1日15〜30分程度の日光浴を取り入れることで、カルシウム利用効率の向上につながります。

 

タンパク質を適量摂取する

タンパク質は骨を構成する材料でもあります。

カルシウムだけでなく、肉や魚、大豆製品などからタンパク質もバランスよく摂ることが大切です。

 

塩分やリンの摂りすぎに注意する

塩分やリンを過剰摂取すると、カルシウムの排出が増える可能性があります。

加工食品やインスタント食品に偏らない食生活を心掛けましょう。

【医師監修】日光浴で簡単ビタミンD補給!効果的な時間帯と注意点まとめ

 

カルシウムに関するよくある質問

カルシウムに関するよくある質問

 

カルシウムは毎日の食事から継続して摂取することが、健康維持への近道です。

 

Q.カルシウムサプリは必要?

基本的には食事からの摂取が推奨されます。

ただし、食事だけで不足する場合や医師から指示を受けている場合は、サプリメントを活用する方法もあります。

 

Q.牛乳を飲めば十分ですか?

牛乳は優秀なカルシウム源ですが、それだけで必要量を満たすことは難しい場合があります。

魚介類や大豆製品、野菜なども組み合わせることが大切です。

 

Q.カルシウムは夜に摂るべきですか?

カルシウムは摂取する時間帯よりも、毎日継続して摂ることが重要です。

朝食や夕食など、自分が続けやすいタイミングで摂取しましょう。

 

Q.マグネシウムとの関係は?

マグネシウムはカルシウムとともに骨を形成する重要なミネラルです。

どちらか一方だけではなく、バランスよく摂取することが理想的です。

 

まとめ

カルシウムは骨や歯を丈夫にするだけでなく、筋肉や神経、血液、心臓などの働きにも関与する重要な栄養素です。

日本人は慢性的にカルシウム不足の傾向があるため、毎日の食事で意識して摂取することが大切です。

乳製品・小魚・大豆製品・野菜などをバランスよく取り入れ、無理なく継続することが健康な骨と身体づくりにつながります。

健康な骨と身体を維持するためにも、今日からカルシウムを意識した食生活を始めてみてはいかがでしょうか。

 

監修者画像

監修者:金井 研三 先生からのコメント

カルシウムは骨だけでなく、筋肉を動かしたり心臓のリズムを整えたりと、全身を支える大切なミネラルです。不足分を補うには、乳製品や小魚、大豆など複数の食品を組み合わせて、毎日美味しく摂り続けることが一番の近道ですよ。

参考文献・参考資料

・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

・厚生労働省「eJIM ビタミンD」

・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

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