現代人の食生活では、カルシウム不足が深刻化しています。
牛乳離れや外食の増加により、意識しないと1日必要量を満たせない人が多いのが現状です。骨粗鬆症や歯のトラブルを防ぐためにも、各年代でどの程度のカルシウムを摂るべきかを把握することが大切です。
この記事では、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をベースに、
年齢別の目安量や、不足を補う効果的な方法を詳しく紹介します。

この記事の監修者:長田 夏哉(整形外科・リハビリテーション科・一般内科)
経歴:
日本医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入局し、慶應義塾大学病院や済生会神奈川県病院、川崎市立川崎病院などで経験を積む。平成17年に同病院の医長を務め、同年9月「田園調布 長田整形外科」を開設。現在は整形外科専門医・スポーツドクターとして地域医療とスポーツ分野に幅広く取り組んでいる。
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■所属学会・資格
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会認定 スポーツ医
日本スポーツ協会公認 スポーツドクター
日本整形外科学会
日本整形外科スポーツ学会
日本臨床スポーツ医学会
日本手の外科学会
日本肘関節学会
日本骨粗鬆症学会
■メディア露出実績
主治医が見つかる診療所(テレビ東京)
■著書
中指を回すとすべての痛みが消える
体の不調は「脳疲労」が原因だった
体に語りかけると病気は治るなど
カルシウムの役割とは?不足するとどうなる?

カルシウムは、体内のミネラルの中で最も多く、体重の約2%を占めます。
そのうちの99%が骨と歯に存在し、残りの1%が血液や筋肉、神経に分布しています。
主な役割は以下の通りです。
- 骨や歯の形成、維持
- 筋肉の収縮・弛緩の調整
- 神経伝達のサポート
- ホルモン分泌や血液凝固への関与
不足すると、骨密度が低下して骨折しやすくなったり、筋肉のけいれん、集中力の低下、情緒不安などの症状が現れることもあります。
特に10代の成長期の子ども、閉経後の女性、高齢者はカルシウム要求量が高く、不足しやすい傾向があります。
年齢別・性別のカルシウム目安摂取量一覧

カルシウムの推奨摂取量は、成長や骨代謝の変化に応じて異なります。
下記は最新基準に基づく1日あたりの目安です。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)
思春期・閉経後・高齢期はカルシウム需要が特に高いため、食生活全体で意識的に補うことが大切です。
カルシウムが多い食品とおすすめの組み合わせレシピ

カルシウムを効率良く摂るには、乳製品以外にも多様な食品を取り入れましょう。
以下はカルシウム含有量の多い代表的な食材です。
| 食品 | カルシウム含有量(mg/100g) | 吸収率(目安) |
|---|---|---|
| プロセスチーズ | 約630 | 約35% |
| しらす干し | 約520 | 約30% |
| 木綿豆腐 | 約120 | 約20% |
| 小松菜(ゆで) | 約150 | 約18% |
| ひじき(乾) | 約620 | 約15% |
| 牛乳 | 約110 | 約40% |
おすすめの組み合わせレシピ
- 朝食:牛乳で作るオートミール+ナッツトッピング
- 昼食:豆腐と小松菜の味噌汁+焼き魚
- 夕食:チーズ入りオムレツ+ひじき煮
吸収率を高めるには、動物性たんぱく質を含む食品と一緒に摂るのがポイントです。
効率よくカルシウムを吸収するためのポイント

カルシウムの吸収効率は年齢・栄養状態・生活習慣によって変わります。
以下のポイントを意識することで、摂取したカルシウムをより有効に活用できます。
- ビタミンDを同時に摂る
主に魚(鮭、いわし、サンマ)や卵黄、きのこ類に含まれます。
日光浴も重要で、1日15〜30分程度の屋外活動で体内のビタミンD生成が促されます。 - マグネシウムとのバランスを保つ
カルシウム:マグネシウム=2:1が理想。アーモンド、海藻、玄米に豊富です。 - 塩分とカフェインを控える
ナトリウムの過剰摂取やコーヒー・お茶の飲み過ぎは、カルシウム排出を増やします。 - 適度な運動を取り入れる
ウォーキングや軽いジャンプ運動は骨形成を促し、カルシウムの定着を助けます。
食事だけで足りないときは?サプリメント活用もおすすめ

毎食のバランスに気をつけても、カルシウムが不足してしまう場合はサプリメントで補うのも有効です。
ただし、摂り方を間違えると効果が薄れたり、副作用が出ることもあるため注意が必要です。
持病がある方や他の薬を服用している場合は、事前に医師や専門家に相談した上で利用するようにしましょう。
カルシウムの過剰摂取は、腎結石や便秘の原因になることもあります。通常はサプリ単体に頼るのではなく、医師の助言を踏まえつつ、食生活の補助として利用しましょう。
年代別カルシウム不足を防ぐ生活習慣アドバイス

子どもから思春期にかけての成長期には、1日に600〜1000mg程度のカルシウム摂取が推奨とされており、
学校給食に加えておやつの時間に牛乳やヨーグルトを取り入れることで、無理なく補うことができます。
妊娠・授乳期は、胎児の骨の形成や母乳を通じてカルシウムが多く使われるため、魚や豆製品、乳製品などを偏りなく組み合わせ、日常の食事全体でバランスよく摂取することが大切です。
成人や働き盛りの世代では、外食が多かったり、コーヒーやお酒の摂取量が増えたりすることでカルシウムが不足しやすくなります。
そのため、弁当にチーズを加えたり、間食としてナッツ類を選んだりするなど、ちょっとした工夫が効果的です。
高齢者の場合は、加齢によるカルシウム吸収率の低下に加え、日光を浴びる機会が減ることも問題となります。
散歩などの軽い運動で体を動かしつつ、温かい牛乳や煮物など消化しやすい料理からカルシウムを補給することが勧められます。
よくある質問Q&A

Q1. 牛乳を飲むとお腹がゴロゴロします。代わりになる食品は?
A. ヨーグルトやチーズは乳糖が少なく、お腹に優しい選択です。大豆製品や小魚でも十分に補えます。
Q2. サプリメントはいつ飲むのが効果的?
A. 吸収率を考えると、食後が最適です。就寝前に摂ると、夜間の骨リモデリングにも役立つと言われています。
Q3. 運動すればカルシウム不足は補えますか?
A. 運動だけでは補えませんが、骨刺激によってカルシウムの吸収と沈着が促進されます。
食事+運動の両立が理想的です。
まとめ
カルシウムは、骨や歯を支えるだけでなく、体の機能維持に欠かせないミネラルです。
必要量は年齢やライフステージによって変化します。成長期の子ども、妊娠・授乳期の女性、高齢期の方は特に意識して摂取しましょう。
毎日の食事で乳製品・小魚・大豆製品・野菜を上手に組み合わせ、ビタミンDを活かす生活を送ることで、将来の骨粗しょう症や慢性疲労を予防できます。
「今日から一日一品、カルシウムを意識する」その積み重ねが、健康で丈夫な体を守る第一歩です。

この記事の監修者:長田 夏哉(整形外科・リハビリテーション科・一般内科)
経歴:
日本医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入局し、慶應義塾大学病院や済生会神奈川県病院、川崎市立川崎病院などで経験を積む。平成17年に同病院の医長を務め、同年9月「田園調布 長田整形外科」を開設。現在は整形外科専門医・スポーツドクターとして地域医療とスポーツ分野に幅広く取り組んでいる。
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■所属学会・資格
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会認定 スポーツ医
日本スポーツ協会公認 スポーツドクター
日本整形外科学会
日本整形外科スポーツ学会
日本臨床スポーツ医学会
日本手の外科学会
日本肘関節学会
日本骨粗鬆症学会
■メディア露出実績
主治医が見つかる診療所(テレビ東京)
■著書
中指を回すとすべての痛みが消える
体の不調は「脳疲労」が原因だった
体に語りかけると病気は治るなど

